全国の30歳代~50歳代の働く女性を対象にしたアンケートにおいて、働くことの目的として最も多かったのは「自分の生活のため」であり、各年代で8割を占める結果となりました。

多様化が進む日本では「女性の働き方」が変化しつつあり、以前よりも女性たちが自分のキャリアを意識して、自由なキャリアプランを設計しやすくなっています。

かつてはフルタイム勤務もしくは専業主婦が一般的でしたが、現在は結婚や出産、育児などを機に、パートや派遣、在宅勤務など、様々な雇用形態を選択し働き続ける女性が増えています。

本記事では「女性の働き方」や「働く目的」について、実態調査の結果をもとに詳しく紹介していきます。

「65歳定年後の就労」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 女性の働く目的の多くが「生活のため」。次いで多かったのは「老後資金」

アサヒグループ食品株式会社は、働く30歳代〜50歳代女性を対象に「女性の働き方と女性特有のゆらぎ症状への実態調査」を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査期間:2023年12月13日~14日
  • 調査対象:全国の30歳代~50歳代の働く女性 計500名
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査会社:株式会社ネオマーケティング
  • リリース公開日:2024年3月4日

上記調査の結果、働くことの目的として最も多かったのは「自分の生活のため」であり、各年代で8割を占める結果となりました。

次いで多かったのは、各年代で「老後の資金のため」であり、今の生活だけでなく老後不安から「働けるうちに働いて資産の準備をしておく」という考えの人が多いとわかります。

また、年代ごとに傾向もみられ、50歳代では「人との繋がりを持つため」「働くことが楽しいから」といったポジティブな理由を選択した人が、若い年代と比較して多い結果となりました。

2. 私は平均以下?以上?30〜50歳代の平均貯蓄額

前章で紹介した調査では、30〜50歳代の女性が働く目的として「老後資金の準備」が上位となりましたが、果たして各年代の平均貯蓄額はいくらくらいなのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、30歳代〜50歳代の単身世帯・二人以上世帯の平均貯蓄額は下記の結果となりました。

2.1 【年代別】単身世帯の平均貯蓄額

30〜50歳代 単身世帯の平均貯蓄額

30〜50歳代 単身世帯の平均貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに筆者作成

【年代:平均値・中央値】

  • 30歳代:594万円・100万円
  • 40歳代:559万円・47万円
  • 50歳代:1391万円・80万円
     

2.2 【年代別】二人以上世帯の平均貯蓄額

30〜50歳代 二人以上世帯の平均貯蓄額

30〜50歳代 二人以上世帯の平均貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに筆者作成

【年代:平均値・中央値】

  • 30歳代:601万円・150万円
  • 40歳代:889万円・220万円
  • 50歳代:1147万円・300万円


平均値は極端に貯蓄額が多い人がいる場合に偏る傾向にあるため、より実態に近い貯蓄額をしりたい方は中央値を参考にすると良いでしょう。

中央値をみると、単身世帯・二人以上世帯ともに、貯蓄額が500万円未満となっています。

近年では「老後2000万円問題」が大きな話題となっていますが、現状は老後資金2000万円を準備できている世帯は30〜50歳代において少数であることがうかがえます。