では、平和の収益を支えているゴルフ事業は将来も魅力的な事業なのでしょうか。

同社は2011年にゴルフ場運営のPGMホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、2015年には株式交換により完全子会社化を果たしました。

前出の日本生産性本部によれば、ゴルフの市場規模は2016年で8700億円。2008年には1兆500億円だったことを考えると、パチンコ同様に市場は縮小しています。

また、市場規模の縮小とともにゴルフ人口も減少しています。2008年に950万人だったものが2016年には550万人と、半分近くまで減少しているというのは驚きではないでしょうか。今後高齢化がさらに進むことを考えると、若い世代を取り込めないと参加人口の伸びは期待できないでしょう。

その一方で、ゴルフの年間平均費用は増加傾向にあります。2013年には13万4300円だったものが、2016年には17万300円へと増加しています。ゴルフ好きな人、つまりコアユーザーが一人当たりの年間平均費用の水準を引き上げているという構図でしょうか。

平和のゴルフ事業は堅調

このように、ゴルフ人口は減少しつつありますが、平和のゴルフ事業における来場者数は2017年3月期に延べ755万人と、2012年3月期の649万人よりも増加しています。ただ、顧客単価は2012年3月期は9429円でしたが、2017年3月期には9129円と微減となっています。

なお、同社のゴルフ事業が扱うコース数は、保有が137コース、リースが1コース、運営受託が2コースの合計140コースとなっています(2017年12月末時点)。そのうち、57コースが関東に、また17コースが関西、同じく17コースが九州にあります。

コース数が140もあるとはいえ、年間で700万人以上を集客でき、またその総数を伸ばしていること自体は十分に評価されるべきでしょう。

パチンコ&パチスロとゴルフのポートフォリオをどう考えるのか

ここまで見てきたように、遊技機市場もゴルフ市場も市場全体では縮小を続けていますが、その中でどのように事業展開をするか、また事業ポートフォリオを管理するかが、今後平和が収益を確保できるかどうかのカギとなりそうです。

平和の2017年12月期の総資産は4288億円である一方、純資産は2160億円となっており、財務体質に大きな問題はありません。今後、それぞれ縮小する市場の中で同社がどのように事業展開をしていくのかに注目が集まりそうです。

青山 諭志