日経平均株価が史上初めて4万円を超える場面がありました。

一方で、今の株高は実体経済と乖離していると懸念する声もあります。

実際に、消費活動は活発にはなっておらず、株式市場ばかりが盛り上がっている印象です。

株価が上がっても給料が上がらなければ、生活は楽になりません。

将来に不安があると、今は使わずに貯蓄しておこうと思う人は多いでしょう。

貯蓄する余裕がない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、金融広報中央委員会の最新データより、20歳代から70歳代までの年代別に、皆がどのくらい貯蓄しているのかが一目でわかるグラフを作成しました。

自分の貯蓄額は平均より上なのか下なのか、ここで確認してみましょう。

1. 20歳代の貯蓄額

金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、20歳代から70歳代までの年代別の貯蓄額を金額ごとに分けて割合を示したグラフをご紹介します。

まずは20歳代です。

20歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値249万円、中央値30万円です。

20歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値121万円、中央値9万円です。

20歳代の貯蓄額の割合

20歳代の貯蓄額の割合

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)[二人以上世帯調査]・[単身世帯調査]」をもとに筆者作成

金額ごとの割合をみてみると、ボリュームゾーンが金融資産非保有(貯蓄ゼロ)と100万円未満に偏っており、貯蓄が100万円未満(貯蓄ゼロ含む)の割合は二人以上世帯で58.4%、単身世帯では66.9%となっています。

20歳代は社会人として働き出して年月が経っていないということもありますが、貯蓄が100万円に満たない人たちが6割から7割近くを占める結果となっています。

金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の世帯は二人以上世帯で36.8%、単身世帯で43.9%と、どの年代よりも高くなっています。

2. 30歳代の貯蓄額

30歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値601万円、中央値150万円です。

30歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値594万円、中央値100万円です。

平均値が二人以上世帯と単身世帯であまり差がありません。

30歳代の貯蓄額の割合

30歳代の貯蓄額の割合

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)[二人以上世帯調査]・[単身世帯調査]」をもとに筆者作成

金額ごとの割合をみてみると、20歳代に比べて、金額が多い層の割合が増えています。

社会人になって10年以上経つと、貯蓄額も積み上がってくるようです。

一方で、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯の割合も高く、二人以上世帯で28.4%、単身世帯で34%となっています。

時間の経過とともに格差が広がっているようです。

3. 40歳代の貯蓄額

40歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値889万円、中央値220万円です。

40歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値559万円、中央値47万円です。

40歳代の貯蓄額の割合

40歳代の貯蓄額の割合

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)[二人以上世帯調査]・[単身世帯調査]」をもとに筆者作成

40歳代は、二人以上世帯と単身世帯の差が顕著にみられます。

30歳代の平均値では二人以上世帯と単身世帯の差がほとんどみられなかったのに対して、平均値、中央値とも単身世帯は低くなっています。

金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯も、二人以上世帯は26.8%であるのに対して、単身世帯は40.4%と20歳代に次いで多くなっています。

40歳代は仕事ではベテランの域となり、それに伴って収入も増えていきますが、一方で家庭を持った場合には、子どもの成長に伴って支出が増えていく時期です。

貯蓄に回す余裕がない世帯も多いと考えられます。