4. 50歳代の貯蓄額
50歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値1147万円、中央値300万円です。
50歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値1391万円、中央値80万円です。
50歳代になると、貯蓄額の平均値が1000万円を超えてきます。
特徴的なのは、50歳代だけ、二人以上世帯よりも単身世帯の方が、平均貯蓄額が多くなっていることです。
中央値は二人以上世帯が単身世帯の4倍近いので、単身世帯の一部の高額な貯蓄額に平均値が引き上げられている可能性があります。
金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の世帯は、二人以上世帯で27.4%、単身世帯で38.3%と高くなっていますが、一方で、貯蓄3000万円以上の世帯も、二人以上世帯で11.2%、単身世帯で9.3%と割合が増えています。
50歳代からの特徴は、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯の次に多いのが、二人以上世帯では3000万円以上の世帯となっており、これは60歳代、70歳代でも同様です。
この年代から、貯蓄できる世帯とできない世帯の差が大きくなってきているようです。
5. 60歳代の貯蓄額
60歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値2026万円、中央値700万円です。
60歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値1468万円、中央値210万円です。
60歳代で、3000万円以上の貯蓄額が急に伸びているのは退職金が入ることが関係していると思われます。
3000万円以上の貯蓄がある世帯は、二人以上世帯の世帯で20.5%、単身世帯で15.1%になります。
一方、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯は二人以上世帯で21%、単身世帯で33.3%となっており、グラフを見てのとおり、二極化していることがわかります。
6. 70歳代の貯蓄額
70歳代の二人以上世帯の貯蓄額は平均値1757万円、中央値700万円です。
70歳代の単身世帯の貯蓄額は平均値1529万円、中央値500万円です。
70歳代は、60歳代の割合分布とそれほど変わっていません。
金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯は二人以上世帯で19.2%、単身世帯で26.7%となっています。
一方、3000万円以上の貯蓄がある世帯は、二人以上世帯で20.5%、単身世帯で15.1%になっており、二人以上世帯では3000万円以上が一番割合が高くなっています。
50歳代から二極化の傾向が表れ、年齢が上がるに従って、二極化が顕著になっていることがうかがえます。
7. まとめにかえて
70歳代の二人以上世帯を除いたすべての年代で、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯の割合が最も高くなっています。
特に単身世帯の割合が高く、20歳代では43.9%、30歳代では34%、40歳代では40.4%、50歳代では38.3%、60歳代では33.3%、70歳代では26.7%となっており、3割から4割程度の人が「貯蓄がない」と答えています。
一方で、60歳代、70歳代の二人以上世帯で3000万円以上貯蓄がある世帯は約2割となっており、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯とほぼ同じ割合となっています。
このように、貯蓄額が二極化していることが今回の結果から読み取れました。
あなたのご家庭の貯蓄額はどのあたりに位置していたでしょうか。
参考資料
石倉 博子