国税庁が公表した「令和4年分 民間給与実態調査」によると、日本の2022年平均年収は458万円。平均年収は30年ほど大幅に上がっておらず、長らく400万円台のままとなっています。
家庭環境や理想のワークライフバランスとの兼ね合いにもなりますが、老後の資金づくりは早めに進めておきたいもの。
そんな需要も相まって、2024年1月から新たにスタートした「新NISA」への注目度は高まりつつあります。
今回は、最新の意識調査結果を踏まえながら、積立投資で「月5000円」積み立てたときの期待できる結果を貯金した場合と比較しながらシミュレーションしてみました。
1. 新NISAには認知と利用のギャップも…最新の調査データをチェック!
楽天インサイト株式会社が「資産運用に関する調査」を実施。
全国の20〜69歳の、資産運用の開始時期や開始理由、そして「新NISA制度」の認知状況が浮き彫りとなりました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の20歳~69歳
- アンケート母数:男女合計1000名(全国)
- 実施日:2024年1月15日(月)~16日(火)
- 調査会社:楽天インサイト株式会社
- リリース公開日:2024年2月13日
1.1 【新NISA】制度の認知度は82.4%。一方、利用者は24.2%にとどまる
そもそもNISAとは、個人の資産形成を支援するために2014(平成26)年に始まった「少額投資非課税制度」のこと。
そして2024年からスタートした「新NISA」は、年間最大投資額360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯投資枠1800万円(うち成長投資枠1200万円)まで投資して得られた利益が非課税になる税制優遇制度です。
調査内で「新NISA制度」の認知・利用状況を聞いたところ、「内容はよく知らないが、聞いたことがある」が37.6%で最多でした。
そのあとに「内容も含めて知っており、すでに利用している」(24.2%)、「内容も含めて知っているが、利用はしていない」(20.6%)、「知らない」(17.6%)が続きます。
「知らない」回答者を除いた数値を認知度と捉えると、82.4%。8割以上の人が新NISAを認識済といえるでしょう。
しかし、認知と利用の割合には大きなギャップがあります。その理由のひとつに「余剰資金」の有無が挙げられるのではないでしょうか。
今回は、少額からでもスタートできる「新NISA」を例に、積立投資と貯金の違いについて考えていきましょう。