2024年3月、内閣府より「「生活設計と年金に関する世論調査」の概要」が公開されました。
こちらによると、「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」という問いに対し、「61歳~65歳」と回答した人28.5%でもっとも多い結果となりました。
ただし、「66歳~70歳」と回答した人も21.5%を占めています。
老後資金が重要になる60歳代・70歳第ですが、その年金額が気になる方も多いでしょう。
調査の概要とともに、60歳~69歳・70歳~79歳の「厚生年金・国民年金」の月額について見ていきます。
1. 60歳以降も働きたい人は多い
内閣府の調査によると、「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」という問いに対する結果が次のとおりとなっています。
- 50歳以下:7.8%
- 51歳~60歳:14.8%
- 61歳~65歳:28.5%
- 66歳~70歳:21.5%
- 71歳~75歳:11.4%
- 76歳~80歳:6.1%
- 81歳以上:3.6%
- これまで働いておらず、これから働く予定もない:2.0%
なお、その理由として下記が挙げられています。
- 生活の糧を得るため:75.2%
- いきがい、社会参加のため:36.9%
- 健康にいいから:28.7%
- 時間に余裕があるから:14.6%
必ずしも経済的な理由に集中するわけではなく、社会参加や健康のために働くと回答した人も多いです。
とはいえ、やはり生活の糧を得るためとする人は多く、75.2%にのぼりました。
定年退職の年齢も徐々に65歳に引き上げられている昨今、60歳を過ぎても働く人は珍しくありません。シニアが働きやすい環境はどんどん整っているため、70歳を過ぎても働く人は周りでもよくみかけるのではないでしょうか。
一方で、定年退職後は年金だけでゆったり過ごしたいと考える方も少なくないでしょう。
仕事よりも趣味を謳歌したいという場合、年金はどれほど生活の支えになるのでしょうか。
次章では、今の60~69歳・70~79歳が受給する年金額の平均に迫ります。
2. 【老齢年金の一覧表】60歳~69歳「厚生年金と国民年金」の平均年金月額はいくら?
まずは厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60歳~69歳の「厚生年金と国民年金」平均年金月額を確認しましょう。
なお、以下の厚生年金にはすべて国民年金部分を含みます。
2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。
2.2 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万420円
- 62歳:4万2513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
60~64歳の年金額は、主に繰上げ受給を選択した人の金額になるため、それ以降の年齢に比べると少ない傾向にあります。