2024年1月から「新NISA」が始まり、2ヶ月以上が経過しました。
人生100年時代と言われるようになった現代においては、年金だけに頼らない老後の資金づくりを自分自身で進めていくことが重要視されています。
そんな中、新NISAが開始されたことをきっかけに、資産運用にチャレンジしようと考えている人も多いでしょう。
本記事では、新NISAの概要とともに、新NISA利用の実態調査について紹介していきます。
「実際にNISAを利用する場合、どのくらい利益が期待できるのか」のシミュレーション結果も掲載しているので参考にしてください。
1. そもそも「新NISA」って?概要をおさらい
NISAとは、NISA利用時に利益が出た場合、利益に対して税金がかからなくなる制度を指します。
本来であれば、株式や投資信託などの金融商品に投資をすると、利益や配当に対して税金がかかりますが、NISAを利用すれば非課税となるため、投資をする人には「お得な制度」といえます。
以前から存在していたNISA(少額投資非課税制度)ですが、2024年より現行制度から内容が大きく変わり、新NISAとなりました。
大きな変更点としては「年間投資額の増額」と「非課税保有期間の拡大」です。
以前までのNISA制度は、年間投資枠が少なく、つみたてNISAの場合は年間で40万円しか投資ができませんでしたが、新NISAからは年間投資枠が大幅に増額しました。
さらに、非課税保有期間も短く設定されており老後資産目的に長期投資をするにはやや不向きでしたが、非課税保有期間が「無期限」となったことで、老後資産の運用目的で活用しやすくなったのも嬉しい点です。
非課税保有期間が「無期限」であることから、どの年代でNISAを始めても運用限度額に到達しない限りは、生涯NISA制度を利用して資産運用を続けられます。
長期的な資産運用の強みは、利益が雪だるま方式で増えていく「複利の効果」を活かしやすいことのため、新NISAで長期的に資産運用すれば、利益が期待しやすくなるでしょう。
2. 約2割の人がすでに「新NISA」の口座を開設
株式会社バイアンドホールドでは「新NISA利用の実態調査」を実施しました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査期間:2024年2月9日
- 調査手法:インターネット調査
- 調査地域:全国
- 調査対象:30歳~59歳、男女
- サンプル数:3000人
- 調査会社:アイブリッジ株式会社
- リリース公開日:2024年2月26日
上記調査の結果、22%の人が新NISAの口座をすでに開設しており、17%の人が今後開設予定と回答しました。
約4割の人が新NISAに向けて何かしらの行動をとっているのに対し、半数以上の人が「開設していない」と回答しており、「誰しもが気軽にできる資産運用制度」とはまだ言えないのが現状です。
2.1 新NISAを利用した資産運用。投資先トップ3は?
株式会社バイアンドホールドが行った調査で、新NISAの口座を開設している人に対して「具体的にどのような商品に投資していますか」と質問したところ、「投資信託(米国株)」、「投資信託(全世界株)」、「個別株(日本株)」がトップ3となりました。
4位以降は、「投資信託(日本株)」が18%、「個別株(米国株)」が14%と続く結果に。
「投資信託(全世界株)」の多くが米国株への投資であることから、実際に投資をしている多数の人が米国株と日本株を集中して購入していることがうかがえます。
また、株式会社バイアンドホールドの同調査で年間投資額についてのアンケートを実施したところ、54%が「100万円未満」と回答しました。
新NISAとなり、年間投資枠が増額となりましたが、実際は収入から余裕のある範囲内で投資を行う人が多いようです。