2024年10月分から児童手当の拡充がスタートし、支給は2024年12月となる予定です。

2024年2月16日には「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」のなかで財源についても言及され、政府の少子化対策にますます注目が集まっています。

児童手当の拡充は子育て世帯にとってはありがたい話です。特に、3人以上のお子さまがいる世帯は3人目以降、「3万円」が支給されるため期待していることでしょう。

ただし、「3人目以降に3万円支給」には条件があり、必ずしも3万円が支給されるわけではないことをご存知でしょうか?

この記事では、児童手当の前倒しの内容を確認するとともに、3人目以降の支給額について解説していきます。

1. 【比較】現行の児童手当と拡充される児童手当の違い

「児童手当」とは、子どもを養育している保護者に対して支払われる給付金で、子どもが中学校を卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)するまでもらえます。

受給額は年齢ごとに以下のように決まっています。

児童手当における児童の年齢と一人あたりの月額1/3

児童手当における児童の年齢と一人あたりの月額

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」

  • 0~3歳未満:月1万5000円
  • 3歳~小学生:月1万円(第3子以降は月1万5000円)
  • 中学生:月1万円

子どもが1人の世帯では、3歳まで月額1万5000円、3歳から月額1万円が支給されます。

子どもが3人いる世帯では、第3子のみ小学生まで月額1万5000円、中学生で月額1万円になります。

ただし、児童手当には所得制限が設けられています。

児童手当における所得制限限度額と所得上限限度額の年収2/3

児童手当における所得制限限度額と所得上限限度額の年収

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」

所得に応じて支給額が一律5000円になる「所得制限限度額」と、児童手当が受け取れない「所得上限限度額」に分かれていますが、所得制限には多くの批判の声が上がったこともあり、今後撤廃となる予定です。

1.1 児童手当の今後の拡充ポイントは「対象期間」と「第3子に対する給付金」

児童手当の拡充による変更点は主に以下の3点です。

  • 支給対象が高校卒業までに拡大
  • 第3子以降について、0歳から高校卒業までの間に3万円が支給
  • 所得制限の廃止

これまでの制度では、児童手当の支給対象は中学卒業まででしたが、拡充により高校卒業までが対象となり、支給額も拡大されます。

また、第3子以降に関しても、新制度では0歳から高校卒業までの間に3万円が支給されるようになります。

さらに、所得制限がなくなることで、収入が一定額を超えていても支給を受けられるようになるのが大きな変更点です。

2. 「3人目は3万円」の思わぬ落とし穴

「3人目以降は3万円」と聞くと、第3子以降は0歳から高校卒業まで3万円が支給されるというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、「3人目以降」とは「児童手当を受給中(高校卒業まで)の子どもの中で3人目以降」と定義されています。そのため、第1子が高校を卒業した場合、第3子は2番目の子どもとして扱われます。

例えば、第1子が高校1年生であり、第2子が中学1年生、第3子が小学5年生の場合、第1子が高校生の間は第3子には3万円が支給されます。

しかし、第1子が高校を卒業すると、第3子は「児童手当を受給中の子ども」の中で2番目になります。そのため、第3子には1万円の支給額が適用されることになります。

第1子と第3子の年齢が離れている場合、3人の子どもが児童手当の受給資格に該当する期間が短くなり、第3子に3万円が支給される期間も短くなります。

つまり、「3人目以降の子どもだからといって、必ずしも3万円が支給されるわけではない」ということです。

3. 児童手当拡充の裏で「扶養控除」廃止or縮小で税負担増?

児童手当の拡充は子育て世帯にとって喜ばしいことですが、一方で「扶養控除」の縮小や廃止が検討されています。

扶養控除とは、納税者が所得税法上の控除対象扶養親族を持っている場合、一定額の所得控除を受けられる制度です。

扶養控除の金額3/3

扶養控除の金額

出所:国税庁「No.1180 扶養控除」

例えば、年齢が16歳から18歳の子どもがいる場合、その親は年間で38万円の扶養控除を受けることができます。

しかし、今後、16歳から18歳の子どもにも児童手当が支給されることになり、38万円の扶養控除も受けられると、二重の補助となるため、扶養控除の廃止または縮小が検討されているのです。

もし扶養控除が廃止されるか縮小される場合、所得税などの負担が増える可能性があります。

4. まとめにかえて

児童手当の拡充は2024年10月から始まる予定です。

この変更に伴い、第3子のカウント方法や扶養控除などが見直される見通しですが、世帯の年収によっては、児童手当の増額よりも税金の負担が増える可能性もあります。

今後も最新の情報を取り入れるようにしておき、あらかじめ教育費などを試算して資金計画を立てておくことが大切です。

参考資料