3. 地震保険の保険料と割引率
地震保険の保険料は建物の構造や地域によって異なります。
鉄筋コンクリート構造や木造などの建物の構造による区分は、倒壊リスクの差が考慮されており、地域の区分は都道府県別の地震などの危険度が考慮されています。
保険料の例として、東京都のマンションで地震保険金額が1000万円だった場合、年間の保険料は2万7500円になります。
さらに、家財保険150万円をつけると3万1630円になります。
地震保険の保険料には割引制度があり、割引率は以下になります。
複数の割引条件を満たしていても、適用されるのは1つのみとなります。
上記の保険料の例2万7500円に10%~50%の割引が適用されると、1万3800円~2万4800円となります。
4. 地震保険のメリットとデメリット
最後に、地震保険に入るべきか否かを判断するために、地震保険のメリットとデメリットをまとめておきます。
*地震保険のメリット
- 1.火災保険では補償されない部分を補うことができる
- 2.耐震性の高い建物は保険料の割引がある
- 3.地震保険料控除によって節税できる
3の地震保険料控除は、所得税は支払った保険料の全額(最高5万円)、住民税は支払った保険料の2分の1(最高2万5000円)が所得金額から控除されるものです。
対象となるのは地震保険料部分のみで火災保険料は対象となりません。
*地震保険のデメリット
- 1.地震保険単独では加入できない
- 2.保険料が割高になる
- 3.地震保険では全額補償されない
2については、建物の構造や地域にもよりますが、火災保険に保険料がプラスされるため、割高に感じるでしょう。
特に古い木造住宅などは、保険料が高めに設定される一方で、支払われる保険金額は少ないため、割に合わないと感じるかもしれません。
3については、地震保険は火災保険の保険金額の最大で半額しか保険金が支払われないため、全壊した場合に、家を建て直すことはできません。
しかし、地震保険の目的が、被害にあった建物を再建するための保険ではなく、被災者の生活の安定に寄与することを目的とした保険であることを理解していれば、3のデメリットは気にならないでしょう。
地震大国日本では、全国どこでも地震発生リスクがあります。
地震はいつくるのか予測できない上に、気を付けていれば防げるものではないため、不安になると思います。
そうした不安を少しでも和らげるために、地震保険を検討してみるといいでしょう。
参考資料
- 日本損害保険協会「地震保険」
- 日本損害保険協会「地震保険ご契約のしおり(2022年10月改定版)」
- 日本損害保険協会「地震保険についてのご案内(2023年9月改定版)」
- 日本損害保険協会「地震保険チラシ(2022年10月改定版)」
石倉 博子