将来受け取る年金は老後の大切な収入源ですが、「年金収入だけで生活していけるか」というとどうでしょうか。
筆者が前職で銀行にいたときも、「年金受給額は増えなそうだから、今からコツコツ貯蓄をしていかなければ」というお客様が多くいらっしゃいました。
漠然とした不安を抱えている人が多い中、実は年金の受給額は都道府県別でも差がついています。
今回は、都道府県ごとの年金受給を確認し、年金収入だけで老後ゆとりある生活が送れるのか確認していきましょう。
1. 【厚生年金】全国の平均年金月額は14万3973円
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」から成り立ちます。
国民年金は日本に住む20歳~60歳未満の全ての人が加入する年金です。
厚生年金は、会社員や公務員など一定の要件を満たす方が国民年金に上乗せする形で加入する年金で、老後は国民年金と厚生年金をまとめて受給することができます。
こうした仕組み上、一般的に厚生年金は国民年金より手厚いといわれていますが、支給額はどれくらいあるのか確認していきます。
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末現在の厚生年金(含、老齢基礎年金)の平均受給額は月額14万3973円でした。
〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金の金額を含む
上記のとおり、男性と女性で約6万円もの乖離がみられます。
厚生年金は現役時代の年金加入期間や年収により年金額が決定するため、男女差だけでなく、個人で大きなバラつきが生じるのです。
個人差がどれくらいあるのかも見ておきましょう。
1.1 厚生年金の平均年金月額《個人差》
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
月額1万円未満~30万円以上と個人差が大きいですね。
また、厚生年金は都道府県によっても違いが見られます。
次章では、都道府県別に厚生年金受給額を見てみましょう。