3. 小銭貯金をしている人は貯蓄方法を変えていこう
一時はおつり貯金や500円玉貯金などが流行したことで、小銭で貯金をする人もいます。
目に見えて貯金成果がわかるものではありますが、「その後一気に銀行に入金する」と考えると、あまり効率がいい手段とは言えません。
ゆうちょ銀行では手数料が一部で値下げになったものの、やはり手数料が貯金額を上回る可能性もあるでしょう。
もし小銭貯金しかしていないという場合、「硬貨取扱の手数料がかかる」「先取り貯金ではない」という点から、徐々に貯蓄方法を変更する必要があるといえます。
とくに先取り貯蓄の導入は早めに行うほうがいいでしょう。「月々の収入から支出を引いた残りを貯金する」方式から、「月々の収入から貯蓄分を差し引き、残りで支出額をまかなう」という方式にすることで、貯蓄ベースはあがります。
例えば金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、年収500~750万円未満の世帯における「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合」は以下のようになっています。
- 5%未満:1.8%
- 5~10%未満:10.6%
- 10~15%未満:17.6%
- 15~20%未満:4.1%
- 20~25%未満:10.0%
- 25~30%未満:2.9%
- 30~35%未満:5.9%
- 35%以上:27.6%
- 貯蓄しなかった:19.4%
- 平均:23.0%
平均で23%を貯蓄に回しているので、例えば月の手取りが30万円の場合、5万7500円が目安になります。
もちろん、持ち家や子どもの有無など個々の事情で目安額は異なりますが、まずは「手取り収入から貯蓄に回す割合」という視点を持つことで、貯蓄ペースをあげるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
4. 社会情勢に合わせて貯蓄を考える
ゆうちょ銀行では、2024年4月から硬貨取扱料金を改定し、一部で値下げになることがわかりました。
とはいえ、一昔前まではどの銀行でも無料で取扱できていたので、コツコツ小銭貯金をしていたシニアから「びっくりした」との声が上がることも。
コストを鑑み、今では多くの銀行で硬貨取扱料金がかかることになっているため、慎重にならざるを得ません。
他にも、バブル期には銀行に預けるだけで利息がどんどん貯まっていましたが、今ではほとんど増えなくなったというのはみなさん実感するところだと思います。
情勢から「貯蓄から投資へ」を実践できている人も増えています。
貯蓄スタイルは、自分自身のライフスタイル・価値観だけでなく、社会情勢にも合わせる必要があるのかもしれません。
参考資料
- ゆうちょ銀行「硬貨取扱料金改定のお知らせ」
- 三菱UFJ銀行「その他手数料」
- りそな銀行「硬貨入金整理手数料改定のご案内」
- 三井住友銀行「よくあるご質問」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
太田 彩子