あたたかい春を感じる日も徐々に出てきて、入学・卒業シーズンも迫ってきています。4月からの新生活で変化のある人のなかには、準備を始められている人もいるかと思います。
2024年度から年金を受給する人もいるでしょう。厚生労働省が公表した「2024年度(令和6年度)年金額」モデルによると、1人あたりの国民年金(老齢基礎年金)額は、2023年度に比べて月額1750円の増額となりました。
夫婦2人分の厚生年金は23万483円、前年度より6001円増加しています。老後資金計画を立てる上で、年金額や貯蓄額を把握したうえで計画を立てることが非常に重要です。
今回は、年齢を問わず多くの人が漠然とした不安を抱えているであろう「老後」の暮らしぶりを、統計資料をもとに見ていきましょう。また、近年増加傾向にあるシニアの就業率や平均給与も覗いてみます。
1. 65歳以上世帯の「就業率」と「平均給与」はいくら?
近年、定年年齢の引き上げや定年制度の廃止、70歳までの雇用機会拡大などシニアの労働環境が大きく変化しています。
働く高齢者を見かける機会も増えたように感じます。現に、高齢者の就業率は上昇傾向にあるようです。
内閣府の資料より、高齢者の就業率を見ていきましょう。
1.1 【働くシニア】就業率は上昇推移
内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、シニアの就業率は下記のとおり年々上昇しています。
60~64歳までの就業率は73%、65歳~69歳までの就業率は50.8%です。また70歳以上でも、約34%と多くのシニアが働いています。
1.2 【働くシニア】65歳~69歳の「平均給与」
では働くシニアは、どれくらいの給与を得ているのでしょうか。
2023年9月27日に発表された国税庁「民間給与実態統計調査」より、65歳~69歳の平均給与を見てみましょう。
【65~69歳の平均給与】
- 男性:428万円
- 女性:227万円
- 男女全体:342万円
男性においては、日本の平均給与となる458万円に遠くない水準の収入を得ていることになります。
なお、65歳は公的年金の受給開始年齢となりますが、希望すれば受給開始を遅らせることが可能です。
年金を受け取りながら働くこともできます。
ただし、いずれも損をするケースがありますので、年金受給とのバランスを考え、慎重に判断する必要があります。