3. 老後をやり繰りするための有効な対策は?

老後をやり繰りするコツは、「金利の高い商品にお金を預ける」「年金の受給を繰り下げる」「固定費を見直す」の3つです。

それぞれのポイントについて確認しましょう。

3.1 金利の高い商品にお金を預ける

先々の老後資金を効率的に増やすには、金利の高い商品に預けたり、利用したりすると良いでしょう。

代表的な金融商品は、以下の3つです。

  • iDeCo
  • NISA
  • 個人年金保険

これらには、インフレによる資産価値の目減りを防げるメリットがあります。

ただし、NISAやiDeCoは運用による損失リスクがある商品なので、長い期間をかけて運用を行いましょう。

また、1つの金融商品のみで運用せず、運用する商品を複数に分ければ、リスクを分散させられます。

3.2 年金の受給を繰り下げる

65歳から受け取る年金の受給開始時期を遅らせるのも、老後資金を増やす方法の1つです。

いわゆる「繰下げ受給」ですが、65歳から受け取る年金を遅らせることで、年金額を増やせるメリットがあります。

具体的には受け取りを1ヵ月遅らせることで、0.7%増額します。

受給開始年齢を1年繰下げると、年金額が8.4%増額します。

もし、65歳から受給される年金額が月額10万円だった場合、1年間繰下げると年金額は10万8400円になります。

増えた年金額は継続して受け取り続けることができるので、資産や貯蓄に余裕があるうちは、あえて年金を繰り下げるのも検討しましょう。

ただし、原則として年金額が158万円を超えると所得税がかかるので注意してください。

繰下げ受給をする場合、専門家に相談しながら検討しましょう。

3.3 固定費を見直す

固定費を見直して、毎月の支出を抑えるのも重要です。

固定費は「住居費」や「通信費」、「保険料」が代表的な項目です。

特に、通信費や保険料は、見直せば支出をすぐに減らせるのですぐに効果が出ます。

携帯電話やネット回線、サブスクなどの見直しを検討しましょう。

また、保険料は保障されている内容が重複している部分がないか確認して、不要な出費がないか確認してください。

4. 公的年金だけに頼らない生活設計が必要

厚生年金を月15万円以上受け取っている女性の割合は9.25%と、10人に1人も満たない割合でした。

そのため、老後資金の準備がより必要です。

老後の生活を豊かに過ごすためには、自分の資産を効率的に増やす準備と、資産をできるだけ減らさない対策が必要になります。

押さえておきたいポイントに「金利の高い商品にお金を預ける」「年金の受給を繰り下げる」「固定費を見直す」の3つを挙げました。

それぞれのポイントを踏まえつつ、老後の生活設計をしっかりと立てておきましょう。

参考資料

川辺 拓也