2. 過去実績から見る運用利回りの目安
金融庁のデータを基に、1989年以降、毎月一定額を国内外の株式と債券に積立投資を行った場合の年間収益率を見てみましょう。
保有期間が20年間の場合、収益率は2~8%の間に収れんしており、最頻値は4~6%となっています。
上のグラフは過去のデータを基にした収益率であり、今後も同様のリターンを得られるとは限りませんが、長期投資なら比較的安定したリターンが期待できます。
3. 「リスク許容度」を把握しよう
利回りが高いほど効率良く資産を増やすことができますが、金融商品のリスクとリターンは比例関係にあります。
積み立てる金融商品によってリスクの大小が異なるため、自身のリスク許容度に応じて投資先を選択することが大切です。
例えば、GPIFの資料を基に、4資産(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)の価額推移を見てみましょう。
一般的に、債券よりも株式のほうがリスクが高い資産と言われています。値動きの変動幅が大きく、売買のタイミングによっては大きな損失が発生する可能性もありますが、その分期待できるリターンも大きくなります。
なるべくリスクを抑えて運用したい場合は、債券を中心に組み入れているファンドなどを選ぶとよいでしょう。
しかし、投資信託であれば複数の資産・銘柄に分散投資できますし、長期の積立投資なら買付タイミングを分散することもできるので、相対的にリスクを抑えられる投資方法と言えます。
4. 自分に合った積立額の設定と投資先の選択を
今回解説したように、運用利回りが高ければ少ない金額でも目標を達成できる可能性があります。
ただし、実際の運用結果は17年間積み立ててみないとわかりませんし、毎月捻出できる金額は家計の収支状況によって異なります。
まずは家計収支やリスク許容度を把握し、自分に合った積立額の設定と投資先の選択を行いましょう。
参考資料
加藤 聖人