仕事を進めるうえでは、取引相手とのやりとりはもちろん、職場内での連携も重要です。しかし、しっかりとコミュニケーションをはかりながら仕事をしているつもりなのに、なんだかうまくいかない、あるいは心無い言葉、薄い反応にがっかりした、ということも実際にはあるのではないでしょうか。
ここでは、聞くと思わずため息をついてしまうという上司・部下・同僚の言葉について、ビジネスパーソンから伺った話をまとめました。
「俺はいいんだけど」
通常業務はともかくとして、何らかの新しいプロジェクトや取り組みを進めるうえで、まずは上司の承認が必要だというケースは非常に多いと思います。しかし「お前たちの好きに考えていい」「すべてOKを出す」と豪語していたにもかかわらず、いざ企画を出すと急にしり込みする上司がいるといいます。そしてその時に出るのが「俺はいいんだけど」という言葉。
「この言葉が出るときは明らかに俺もよくない、という雰囲気なのですが、好きにやっていいといった手前、否定もできないというのがにじみ出ていて困る」というのは会社員のAさん。また、Aさんの上司はこうした場合に「必ず他の人が反対するだろう」というニュアンスも出してくるのだといいます。
「そこを乗り越えることも含めて上司なら考えてほしいんですけど。最初の勢いとのギャップがすごすぎて、何も言う気になりません…」
「ちゃんと指示してください」
40代の管理職・Cさんは、20代の部下にプロジェクトの企画をしてもらうことがあります。「でも、素案に対して『もうちょっと〇〇がわかるデータを入れられないか』とか『こんな方向性も見せては』というような指示を出すと、はりきってブラッシュアップしてくる部下がいる一方で『作ってほしいものがあるならその通りに作るので、ちゃんと指示してください』と言ってくる部下がいるんですよね。
ちゃんと、って言うけど、私としては言われた通りの作業をしてほしいのではなくて、自分の仕事の企画をしてほしいのです。ガチガチに決められて新しいアイディアを入れる余裕や自由度がないなんて面白くないでしょう。でも、考えるのが時間の無駄だと思うみたいで…」
Bさんとしては、部下メインで頑張ってもらいたいという思いを前提に指示を出しているのでしょう。一方で、部下からすれば「やらされている感」を感じていたり、メインでなんてやりたくない、という思いがあるのかもしれません。
その業務のメインは誰なのかといった役割の共有もキーポイントといえそうです。
「誰の稼いだ金で給料もらってると思ってるんだ」
複数の大手企業で広報部門に在籍した経験のあるCさんが「どこの会社でも絶対一度は聞いたセリフ」として挙げたのが「誰の稼いだ金でお前が給料もらえていると思ってるんだ」という言葉です。
「もちろん全員ではありませんが、管理部門の人なら事業部門や営業部門の人から直接・間接に言われたり、聞いたりした経験のある人はそれなりにいるんじゃないでしょうか。何かお願いごとをして断られたときとか、意見の相違があった時などに捨て台詞的に言われるパターンが多いように思います」
このようなことを言われたところで、本人としてはどうすることもできないのですが「忙しくしているときに余計な仕事を増やすな」という雰囲気も感じるとCさんは言います。
一方でCさんは次のようにも話します。
「一度社内研修でグループワークをしていたとき『お金を儲けてない部署なので』と自虐的につぶやいたら『何で? みんながそれぞれの場所でそれぞれの役割をきちんとやるから会社は動くんだよ』と言ってくれた先輩がいました。あのときは感動して、単純ですけど『この人についていこう!』と思いましたね(笑)」
まとめ
いかがでしたか? バックグラウンドが違う人が多く集まり仕事をする場では、コミュニケーションが簡単ではないこともあるでしょう。もしかすると、自分ではよかれと思ってとった言動が相手にはまったく違う意味に受け取られているということもあるのかもしれません。
あまり気に病みすぎるのはよくないのでしょうが、お互いの立場や心情を考えながらコミュニケーションをはかっていく必要があるということはいえそうですね。
LIMO編集部