2024年4月18日、帝国データバンクは賃上げに関する調査結果を公表しました。
これによると、2024年4月の正社員給与を前年同月と比較したところ、見込を含め77.0%の企業が賃上げを実施しているものの、3社に2社は「賃上げ率5%」に届いていないことがわかりました。
企業規模別でみると、小規模企業の賃上げ実施割合は 65.2%と全体を10ポイント以上下回る結果に。
大企業と小規模企業との間で賃金格差がさらに拡大していく懸念があります。
収入格差は将来的な年金格差に繋がります。少子高齢化により年金額減少が不安視されている中、老後を安心して迎えられるようある程度の資金を蓄えておきたいものです。
では、働き盛りの40歳代は現状、どれくらい貯蓄できているのでしょうか。中には3000万円以上の貯蓄を保有する世帯もあるようです。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、40歳代のひとり世帯に絞ってその貯蓄額をみていきます。
最後では、現在のシニア世代の平均年金受給額もご紹介しますので、老後対策の参考にご確認ください。
1. 【40歳代・ひとり世帯】貯蓄3000万円以上は何パーセントか
貯蓄事情は世帯によって異なるものですが、同年代の人たちがどれくらい貯蓄できているのか気になる方もいるでしょう。
40歳代・ひとり世帯の貯蓄額を金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より確認していきます(金融資産を保有していない世帯を含む)。
また「貯蓄3000万円以上」の人はどれくらいいるのでしょうか。
※金融資産には現金や預貯金以外に、投資信託や株式、債券、保険商品などの残高も含まれます。
1.1 【40歳代・ひとり世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 4.3%
1.2 【40歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:559万円
中央値:47万円
1.3 【40歳代・ひとり世帯の貯蓄額】金額階層別の世帯割合
- 金融資産非保有:40.4%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:7.7%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:2.2%
- 2000~3000万円未満:4.3%
- 3000万円以上:4.3%
40歳代ひとり世帯で、貯蓄3000万円以上を保有する人は4.3%でした。
最も多いのが金融資産非保有=貯蓄ゼロで40.4%です。
自宅や車購入などでまとまった資金を手放したばかり、という世帯もあるかもしれません。
40歳代、まだ老後を意識していない方も少なくないでしょう。
しかし、20年前後で訪れる老後生活に向けて「備え」は必須です。なぜなら老後に受給できる公的年金だけでは生活できない可能性が高いから。
では、老後の生活を支える「国民年金・厚生年金」の受給額はどれくらいあるのでしょうか。
シニア世代の年金に関する統計資料から、年金事情を確認していきます。