総務省の最新報告によると、2023年の平均勤労者世帯の実収入が前年比で実質6.0%、名目2.4%の減少を記録しました。
特に「臨時収入・賞与」の減少が目立ち、これは現役世代だけでなく、年金受給者にも影響を及ぼしています。
また、厚生労働省が2024年度の年金額を発表し、国民年金の一人分は6万8000円、厚生年金は夫婦2人で23万483円となっています。しかし、物価の上昇を考慮すると、実質的な増額とは言い難い状況です。
特に冬は生活費が上昇するため、不安を感じる方も多いでしょう。この記事では、現代シニアの年金事情に焦点を当て、具体的な受給額について詳しく検証していきます。
「できれば年金は月25万円以上ほしい」と思われる方もいると思いますが、実際に25万円以上受け取れる人はどれくらいでしょうか。現代シニアの年金事情について詳しく見ていきます。
1. 厚生年金と国民年金の仕組みとは?
まずは年金の仕組みを確認しましょう。
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
日本の年金は2階建てとなっており、個人によって加入する年金や期間などが異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。
また、厚生年金は会社員や公務員などが加入するもので、加入期間や現役時代に収めた保険料により将来の受給額が異なります。
2. 2024年2月15日は年金支給日。2024年の年金支給日はいつ?
年金支給日は2カ月に1回、偶数月の15日となっています。
特に冬は電気代や灯油代、冬物衣料や防寒グッズなどかかる費用も多く、「年金支給日を待ちわびている」という方もいるでしょう。
今年はじめの年金支給日は2月15日。
では、2月以降のスケジュールも確認しましょう。
2.1 2024年の支給日一覧
- 2月の支給日:15日(12月、1月分)
- 4月の支給日:15日(2月、3月分)
- 6月の支給日:14日(4月、5月分)
- 8月の支給日:15日(6月、7月分)
- 10月の支給日:15日(8月、9月分)
- 12月の支給日:13日(10月、11月分)
ちなみに令和6年度の年金額は、昨年度に比べて2.7%の増額となっています。
適用が4月分からで、受け取ることができるのは6月からです。
15日が土日祝日の場合はその直前の平日が支給日となるため、6月と12月は支給が早くなっています。
受け取った年金で2カ月生活できるよう、家計管理をおこなうことが大切でしょう。
3. 【厚生年金】男性で「うらやましい月額25万円以上」は何パーセント?
一律の保険料を納める国民年金と違い、厚生年金は収入に応じた保険料を納めるため個人差が出やすくなっています。
では、厚生年金の平均月額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。
3.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体は14万3973円、男性でも月16万円台が平均です。そのため、25万円以上受給するのは一部の方になります。
次に、厚生年金をひとりで「月額25万円以上」受給する人は何パーセントいるのかみていきましょう。
3.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
※国民年金部分を含む
厚生年金を「ひとりで月25万円以上」受給しているのは全体で1.4%でした。
9割以上は月25万円未満となっており、年金だけで月25万円を超えるのは難しいとわかりますね。
また、男性のみで月25万円以上受給している人の割合をみると1.3%でした。平均受給額が高い男性でも、20万円以上受け取れるのはほんの一握りとなっています。
4. 「国民年金(基礎年金)のみ」では月額平均でいくらか
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。
では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。
4.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
4.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。
厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活するのは難しいでしょう。
5. 「厚生年金部分だけ」で月いくら必要か
ちなみに厚生年金を月20万円受給する場合、国民年金を除き、「厚生年金だけ」でいくら必要でしょうか。
全体の平均受給額から試算します。
月25万円ー5万6316円(国民年金の平均受給額)=19万3684円
厚生年金だけでは月19万3684円となりました。
6. 年金受給予定額をねんきんネットやねんきん定期便でチェック
今回のデータから、厚生年金を月25万円以上受け取る男性は1割未満という少数派であることが確認されました。
将来の年金受給額についての情報収集は早めに行うことが重要です。ねんきん定期便やねんきんネットを活用して、自身の受給予定額を確認しておくことをお勧めします。
現役時代には、将来の年金受給額を増やすために国民年金のみであれば厚生年金に加入したり、厚生年金であれば収入を増やす工夫をすることが可能です。
また、繰り下げ受給と呼ばれる手法もあります。通常は65歳から受け取る年金を、66歳から最大75歳まで遅らせることで受給額を増やすことができます。
ただその期間の生活費が必要であるため、個人差があることを考慮して慎重に検討する必要があります。
さらに、公的年金以外の手段として私的年金や預貯金、資産運用などで老後に備えることが重要です。
今回の情報を基に、ご自身に合った老後生活の計画を立ててみてください。


