1. 日経平均はバブル後最高値を連日で更新
2024年2月9日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比34円14銭高の3万6897円42銭となりました。ソフトバンクグループ(SBG)の傘下の英半導体設計大手アームが好決算だったことからSBG株が急騰し、同銘柄だけで日経平均を128円も押し上げました。
日経平均は同日、ザラ場で一時、3万7000円を超えました。3万7000円を上回るのは34年ぶりです。終わり値では3万6000円台となりましたが、バブル後最高値を連日で更新しています。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比54ドル64セント安の3万8671ドル69セントで終えています。4日ぶりの反落ですが、下げ幅はわずかでした。前日まで連日で過去最高値を更新していたことから利益確定売りが出やすい局面でした。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は上昇しています。米株式市場の主要な株価指数であるS&P500種株価指数が終値で史上初めて5000を上回っています。
足元では国内、米国などで企業の決算が相次いで発表されていますが、増収増益など好調な企業が多いようです。また、AI(人工知能)関連銘柄などハイテク企業が買われています。今週もこれらの銘柄を中心に、底堅い展開になることが期待されます。ただ、直近で急上昇していることから利益確定売りも出やすいところです。
今週も企業の決算が相次いで発表されます。13日にはアサヒグループホールディングス(HD)、日本たばこ産業、メルカリなど、14日にはキリンHD、すかいらーくHD、ソニーグループ、電通グループ、楽天グループなど、16日にはブリヂストンの決算が発表されます。
米国では13日に1月の消費者物価指数(CPI)、15日に同月小売売上高が発表されます。足元で判断が難しいのは、消費の強さが示され、米国経済が堅調といった見方が広がると、逆に米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が後退し、株式相場においては下値圧力になることです。また円安・ドル高も進みます。1ドル=150円を超える可能性もあります。自動車・機械など輸出関連銘柄にとっては追い風ですが、内需関連企業にとっては原材料・燃料高の影響が出ます。