年金支給日は基本的に偶数月の15日です。つまり、次回の年金支給日は2月15日。今年最初の年金支給となります。

2024年度の年金額が2.7%の増額になることがわかっていますが、今のシニアはどれほどの年金を受給しているのでしょうか。

現役世代の方の中には、「自分たちが受け取れる年金額はどうしたらわかるのか」よくわかっていないという方も多いです。

なんとなく老後が不安という方は、年金見込額を知るだけでも一歩前進となるものです。そこで今回は、年金額を知るための方法を4つご紹介します。

後半では今のシニアが受給する老齢年金の平均額も紹介するので、参考にしてみてください。

1. 2024年度「標準的な夫婦」の年金額は2.7%の増額に

厚生労働省が発表した「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2024年度の年金額の例は下記のようになりました。

  • 国民年金(満額):6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額)

国民年金の満額・夫婦2人分の厚生年金例ともに受給額がアップしているのがわかります。

特に厚生年金は、前年よりも月額6000円ほど受給額が増えており、うれしく感じるシニアも多いのではないでしょうか。

とはいえ、実際には物価の上昇率の方が上回っています。年金の上昇より物価上昇が上回るという現状では、年金額は目減りしているという厳しい側面もあるのです。

2024年度の最初の年金額が振り込まれるのは、6月14日である点にも注意しましょう。年金は前月までの2ヶ月分が振り込まれるため、2024年4月分が支給されるのは6月からなのです。

そのため、このあと2月15日や4月15日に支給される年金は、まだ「2023年度分」となります。

2. 年金の見込額を知る方法4選

厚生労働省の発表では、国民年金の満額や「標準的な夫婦の」厚生年金額しかわかりません。

資料通りの年金が受け取れるわけではないため、個人差があることに留意しましょう。

ここでは自分自身の年金見込額を知る方法を3つご紹介します。

2.1 年金額を知る方法1:ねんきん定期便

ねんきん定期便とは、毎年の誕生月に日本年金機構から送付される書類のことです。年齢によって記載される内容が異なります。

ハガキで届く年齢

  • 50歳未満(35歳、45歳以外):保険料納付額・月別状況(直近13月)・年金加入期間・これまでの加入実績に応じた年金額
  • 50歳以上(59歳以外):保険料納付額・月別状況(直近13月)・年金加入期間・老齢年金の種類と見込額
  • 受給者(直近1年間に被保険者期間がある場合):月別状況(直近13月)・保険料納付額・年金加入期間

封書で届く年齢

  • 35歳、45歳:保険料納付額・年金加入期間・これまでの加入実績に応じた年金額・これまでの年金加入履歴・月別状況(全期間)
  • 59歳:保険料納付額・年金加入期間・老齢年金の種類と見込額・年金加入履歴・月別状況(全期間)

節目の年齢で届く封書タイプのねんきん定期便では、特に詳しい内容を知ることができます。

これまで中身をあまり見ていなかったという方は、必ず確認してみましょう。加入記録に間違いを見つけ、正しい年金額を受け取れるようになったという方もいます。

2.2 年金額を知る方法2:ねんきんネット

ねんきん定期便が届くのは年に1回だけですが、ねんきんネットでは、インターネットを通じていつでもパソコンやスマートフォンから年金記録を確認できます。

アクセスキー等が必要ですが、一度登録・ログインできれば便利なサービスです。

アクセスキーとは?ねんきん定期便の記載箇所

出所:日本年金機構「「ねんきんネット」の登録方法」

また、マイナポータルからねんきんネットに登録することもできます。

2.3 年金額を知る方法3:公的年金シミュレーター

厚生労働省が運営する「公的年金シミュレーター」を活用する方法もあります。

公的年金シミュレーターではユーザー登録なしで将来の年金額を簡易に試算できますが、ねんきん定期便に記載されている二次元コードを読み込むことで、必要事項を自動的に入力させる機能もあります。

ただし、あくまでも概算であるため、詳細なシミュレーションをしたい場合はねんきんネットの方がおすすめです。

2.4 年金額を知る方法4:年金事務所

最寄りの年金事務所等で相談することもできます。

繰下げ受給をした場合に加給年金にどう影響するのかなど、複雑な制度を個別に教えてもらえるので、悩みがある方は一度相談してみるといいでしょう。

全国312か所の年金事務所や、全国80か所の街角の年金相談センターなどが該当します。基本的に平日の午前8時30分から午後5時15分までですが、時間延長や週末相談が開催される日もあります。

予約が必要なので、必要書類と合わせて確認してみるといいでしょう。