株式会社フォーイットが公表した将来の不安に関するアンケート結果によると、80%以上の方が将来に何らかの不安を感じていることがわかりました。
最も多かった回答は「生活費の不安」で59.2%、次いで「健康・医療費の不安」が46.8%、「年金や社会保障の不透明さ」が36.4%と続きます。
老後を迎えるにあたり、お金の不安を抱える人は少なくないようです。
一方で、金融広報中央委員会の資料によると60歳代~70歳代で「貯蓄ゼロ」という単身世帯は決してめずらしくないこともわかっています。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、シニアの貯蓄額をみていきます。
1. 80%以上が将来に不安を感じている日本
株式会社フォーイットは2024年2月2日、全国の20歳代~60歳代までの男女500人を対象に、将来の不安に関するアンケートを実施しました。
結果によると、80%以上の方が将来に何らかの不安を感じているとのこと。
具体的には「生活費の不安」「健康・医療費の不安」「年金や社会保障の不透明さ」を回答する人が多く、特に50歳代~60歳代ではその割合が多くなっていました。
物価だけでなく、税金や社会保険料も上がり続ける今。賃金や年金が増えなければ、このまま不安が高まるのも無理はないかもしれません。
ただし、金融広報中央委員会の調査結果では60歳代や70歳代の単身世帯で「貯蓄ゼロ」の割合は決して少なくないのです。
2. 【60歳代の単身世帯】貯蓄ゼロ(非保有)は何パーセントか
まずは、60歳代の単身世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の人はどれくらいいるのか見ていきます。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、60歳代・単身世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
2.1 【60歳代・ひとり世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 28.5%
2.2 【60歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1388万円
- 中央値:300万円
貯蓄ゼロ(非保有)は約3割となりました。
60歳代ではまだ働く人も多いため、ここから貯蓄額があがる可能性もあります。退職金等が加算されることもあるでしょう。
一方で、70歳代以上ではリタイヤ世帯の割合が増えると予想されますが、貯蓄ゼロ率はどうなるのでしょうか。
3. 【70歳代の単身世帯】貯蓄ゼロ(非保有)は何パーセントか
続いて同じ金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、70歳代・単身世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
3.1 【70歳代・ひとり世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 28.3%
3.2 【70歳代・ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
貯蓄ゼロ(非保有)は28.3%で、60歳代とほぼ同数となりました。貯蓄の平均額と中央値は増加しているようです。
60歳代での収入が貯蓄を底上げしたことや、支出の減が影響していると考えられます。
とはいえ、約3割が貯蓄なしというのは少々心もとないようにも思えます。
参考までに、60歳代~70歳代が受給する年金の平均額も見ておきましょう。