株式会社ライボの調査機関『Job総研』が60人の社会人男女を対象に行った「2024年 老後資金の意識調査」によると、不安がなくなる老後資金の平均額は4040万3000円、中央値は2500万円となりました。

「老後2000万円問題」が注目されるようになり、世間の人々も2000万円を目安に老後資金を考えるようになったのかもしれません。

また、老後の貯蓄額の目標を立てる際に目安となるのが、同年代の貯蓄額です。

今回は、60歳代の方々の貯蓄ゼロの割合を確認して、これから先の人生で、老後の資金管理で慌てないようにするための対策についてお伝えします。

1. 【60歳代・おひとりさま】約3割が貯蓄ゼロの現実

60歳代・ひとり世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の人はどれくらいいるのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、60歳代・ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。

1.1 【60歳代・おひとりさま】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合

  • 28.5%

1.2 【60歳代・おひとりさま】の貯蓄額平均と中央値

  • 平均:1388万円
  • 中央値:300万円

貯蓄ゼロ(非保有)は約3割となりました。

60歳代で退職金を受け取る方もいますが、貯蓄ゼロのままで年金暮らしに入るのはかなり不安が残るでしょう。

1.3 【60歳代・おひとりさま】貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)

60歳代おひとりさまの貯蓄額階層別の割合は以下のとおりです。

  • 金融資産非保有:28.5%
  • 100万円未満:8.0%
  • 100~200万円未満:5.7%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:3.6%
  • 400~500万円未満:2.7%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:6.6%
  • 1500~2000万円未満:3.6%
  • 2000~3000万円未満:6.8%
  • 3000万円以上:16.9%

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

貯蓄ゼロの割合が多い一方で、「貯蓄額3000万円以上」の世帯が16.9%をマークしています。

60歳代の貯蓄は二極化していますが、生活水準や必要な貯蓄額は人それぞれです。いずれの世帯も、年金収入と合わせて貯蓄を備えておくことで、安心して老後生活を迎えられることでしょう。

では、セカンドライフを迎えた層は毎月どのくらいの支出があるのでしょうか。次章で解説します。