60歳代を目前に、老後生活に向けた準備が十分かどうか心配になる人は少なくないでしょう。
数年前に「老後2000万円問題」が話題となりましたが「2000万円もないが大丈夫なのか」「それ以上あっても足りないかもしれない……」など感じ方は様々あると考えられます。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、60歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
あわせて、老後生活を支える柱の1つとなる公的年金の平均月額も確認しておきましょう。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセント?
60歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満の割合
- 6.1%
1.2 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満(金融資産非保有を含む)の割合
- 26.9%
1.3 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄額「平均」と「中央値」
- 平均:1819万円
- 中央値:700万円
貯蓄貯蓄100万円未満は1割未満、金融資産非保有を含めると3割未満となりました。
60歳代の貯蓄額分布を見ると、貯蓄ゼロ世帯と3000万円以上の世帯がそれぞれ約2割。二極化の様相がうかがえます。
昨今の物価高などを踏まえると、60歳代の貯蓄事情はなかなか厳しいといえるでしょう。