毎年12月12日に京都の清水寺で発表される「今年の漢字」。日本漢字能力検定協会がその年の世相を漢字一字で表しているものですが、2023年は『税』という漢字が選ばれました。
2024年に入っても『税』の話題は尽きません。家計の可処分所得に大きく影響する税金や社会保険料への関心は高まるばかりです。
「老後2000万円問題」以降、お金に関心を持つ人が増えた印象がありましたが、2023年は11月あたりから一気に資産運用のご相談が増えた印象がありました。
その中でも、老後資金の準備に関する相談が1番多くあり、自分自身で老後資金を準備する意識が徐々に高まっていることを感じました。
本記事では老後対策を考える上で参考になるであろう70歳代の年金収入と貯蓄額について、官公庁の統計データを元に確認していきます。
年金生活者の暮らしぶりが分かれば、ご自身の老後をイメージしやすくなるでしょう。
1. 70歳代以上世帯「貯蓄2000万円」以上の世帯は何パーセント?
さっそく、70歳代以上の世帯のうち貯蓄額2000万円以上を保有する世帯の割合を見ていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は2411万円です。
※貯蓄額には債券や株式、投資信託なども含みます。
1.1 70歳代以上の貯蓄現在高
70歳代世帯の貯蓄現在高について、金額ごとの世帯数と割合を見ていきます。
70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
- 100万円未満:14万896世帯(7.94%)
- 100万円~:6万4999世帯(3.47%)
- 200万円~:6万426世帯(3.22%)
- 300万円~:6万9205世帯(3.69%)
- 400万円~:6万2104世帯(3.31%)
- 500万円~:7万670世帯(3.77%)
- 600万円~:5万2589世帯(2.81%)
- 700万円~:4万9056世帯(2.62%)
- 800万円~:6万433世帯(3.22%)
- 900万円~:4万6408世帯(2.48%)
- 1000万円~:10万9329世帯(5.83%)
- 1200万円~:8万5755世帯(4.57%)
- 1400万円~:6万9842世帯(3.73%)
- 1600万円~:8万2145世帯(4.38%)
- 1800万円~:5万9305世帯(3.16%)
- 2000万円~:15万265世帯(8.02%)
- 2500万円~:12万1065世帯(6.46%)
- 3000万円~:17万7308世帯(9.46%)
- 4000万円~:33万4754世帯(17.86%)
かつて話題となった「老後2000万円問題」の「2000万円」をクリアする世帯は、合計78万3392世帯。
70歳代以上の総世帯の約42%が2000万円超の資産を保有していることが分かりました。
一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%です。
すでに資産を取り崩している世帯もあるでしょう。
次に、老後の収入の柱となる公的年金の平均月額を確認していきます。
2. 70歳代「国民年金・厚生年金」年金月額はいくら?
老後の収入の柱となる年金についても、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 を参考に、70歳~79歳までの1歳刻みで確認していきましょう。
2.1 【70歳~79歳】国民年金の平均月額
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
2.2 【70歳~79歳】厚生年金の平均月額
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
※国民年金部分を含む金額です。
国民年金と厚生年金の平均月額を比べると、10万円近い差があります。
厚生年金は国民年金に上乗せして加入する仕組みですので、老後の年金額は「国民年金(基礎年金)+厚生年金」となります。
一般的には国民年金のみの場合より年金額が多くなるでしょう。
ただし、厚生年金部分は加入期間と現役時代の年収により決定するため個人差があります。
国民年金においても納付期間・納付月数により年金額が決定しますので、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の加入記録や年金見込額を確認しておきましょう。
老後、終身で受け取ることができる収入がいくらかを把握できれば、老後資金をどれくらい準備しておくべきかがより明確となります。
3. まとめにかえて
老後2000万円を用意できている70歳代以上の世帯は、総世帯の約半数だということが分かりました。
筆者が驚いたのは貯蓄100万円未満が約8%もいることでした。今後は年金受給額の減少や物価の上昇、介護や病気など、今よりも必要資金が多くなると思っていた方がよいかもしれません。
そんな中で、現役世代の皆様が今から始められることは「資産運用」です。とはいっても、資産運用の手段は多岐にわたります。
今月から国が主導するNISA制度が新しくなりました。運用をしたことがなかった人も簡単に始められ、内容も改良されています。
「そもそもNISAってなに?」
「資産運用ってなんか怖い」
「自分に合ってる投資が何かわからない」
筆者に相談に来られるお客様はこのような内容がほとんどです。まずは情報収集からはじめ、資産運用を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

