3. 40〜50歳代「おひとりさま世帯」手取り収入からの貯蓄割合
40〜50歳代「おひとりさま」は、それぞれ手取り収入の何%を貯蓄に回しているのでしょうか。
金融広報中央委員会の同調査によると、40歳代では16%、50歳代では13%を年間手取り収入から貯蓄に回しているようです。
3.1 40歳代が手取りから貯蓄に回す割合
- 貯蓄割合平均:16%
- 貯蓄しなかった世帯:29.8%
3.2 50歳代が手取りから貯蓄に回す割合
- 貯蓄割合平均:13%
- 貯蓄しなかった世帯:38.9%
その一方で、貯蓄しなかった単身世帯の割合は40歳代で29.8%、50歳代で38.9%にものぼります。
賃上げの風潮はあるものの、実質賃金は伸び悩む日本において、貯蓄にまで手が回らないという人も一定数いることがうかがえます。
4. 【最新】貯蓄の平均額は昨年より増加
2024年2月、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」の最新データが公表されました。
こまかな貯蓄割合等はわからないものの、貯蓄の平均額や中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)は下記の通り推移しています。
4.1 貯蓄額の平均値
- 2018年:744万円
- 2019年:645万円
- 2020年:653万円
- 2021年:1062万円
- 2022年:871万円
- 2023年:941万円
4.2 貯蓄額の中央値
- 2018年:50万円
- 2019年:45万円
- 2020年:50万円
- 2021年:100万円
- 2022年:100万円
- 2023年:100万円
若干ではありますが、全年代の貯蓄平均は昨年より増加しました。ただし、実態を表しやすいといわれる中央値は100万円のままです。
一部の貯蓄がある層が、平均を押し上げている可能性もあります。
厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、年金のみの収入で生活している高齢者世帯は全体の44%と、半数にも満たない結果となっています。
老後を考える上で、年金以外の備えは考えておきたいところ。貯蓄が思うように進んでいない世帯では、定年退職までの年数を逆算し、プランを立てる必要があるでしょう。
5. 老後に向けて今から準備をしておこう
40歳~50歳代「おひとりさま世帯」の貯蓄額には、中央値と平均で大きな差が生じていることがわかりました。
貯蓄の有無について二極化傾向にあると言えます。
年金が十分にもらえる世帯では、年金だけで過ごしていけるかもしれません。しかしながら、現状貯蓄が潤沢にない方で、平均的な年金見込みという方の場合、生活が苦しくなる可能性が高くなるでしょう。
今から貯蓄を進めることが重要になります。
ただし、やみくもに貯蓄を増やせばいいというものでもありません。
現時点で、周りより貯蓄が多い・少ないではなく、将来にどれだけのお金がかかるのかをまずは把握していくことで、貯蓄すべき目標金額を明確にすることが大切です。
まずは目標を決めて、最適な手段で資産形成を行っていくのが良いのではないでしょうか。
貯蓄だけではなく、最近だとNISA制度やiDeCoなどを活用した資産運用を取り入れられている方も多いです。
これを機に一度ご自身のマネープランを考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
奥田 楓也