母(79歳・要介護3)の認知症の悪化で、私たち同居家族はお手上げ。費用の安い特養(特別養護老人ホーム)は、一人暮らしの人が優先されるため入所はおそらく難しそうです。

そこで、母の年金(ひと月8万円)と貯蓄(800万円)で入れる民間の有料老人ホームを検討中ですが、友人から「物価高騰の影響で、親が入所する老人ホームの施設料金が値上がりしてもう泣きたい……」と聞いて困惑しています。

パンフレットに書かれていない、または書かれていても分かりにくい「想定外の費用」にはどんなものがあるでしょうか?扶養内のパート勤務の私でも身元保証人になれるかどうかも心配です。

48歳・パート勤務の佳子さんから、筆者にこんな相談が寄せられました。お仕事を持ちながらの子育てと介護の両立、お疲れ様です。

介護付き有料老人ホームへの入所を検討されているとのこと、ご相談内容について詳しく解説していきます。

1. 【老人ホーム選び】介護施設見学時の確認ポイント その1

1.1 値上がりが行われている場合は、価格改定後の最新の金額を確認。さらなる値上がりも想定しておこう。

まずは費用の件から。ご友人の親御さんの施設料金が物価高騰により値上がりした話を聞いて、パンフレット通りの費用に収まるか不安を感じていらっしゃるのですね。

近年の物価上昇は介護施設の経営を圧迫しており、施設は費用を値上げせざるを得ない状況にあります。特に値上がりが目立つのは、食費や水道光熱費などのコスト上昇が大きい項目。

有料老人ホームだけでなく、デイサービスやグループホームなどの介護施設でも値上げが実施されています。

ただし値上がりした場合、パンフレットには価格改定後の金額が記載されているはずです。入所を検討する際には記載されている金額を参考に、必要な金額を見積もっておきましょう。

また日本の物価は今後も上昇傾向にあると考えられるため、さらなる値上がりを想定しておく必要もありそうですね。

2. 【老人ホーム選び】介護施設見学時の確認ポイント その2

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2.1 オプションサービスについて

次に施設のオプションサービスについて。有料老人ホームでは、介護保険が適用されないサービスは実費負担となるケースが多いです。例えば病院受診の付き添いや、ヘルパーによる外出介助などです。

多くの老人ホームでは施設への往診が行われており、家族の付き添いは不要です。ただし以前から通院している病院など、施設への往診に対応していない場合は、家族が付き添う必要があります。

家族が付き添えない場合は、施設のスタッフに依頼することも可能ですが、オプションサービスとして費用が発生します。買い物などの外出についても同様です。家族対応できず施設のスタッフにお願いする場合は、追加料金が必要となります。

家族が通いやすい施設を選べば、オプションサービス費用も抑えることが可能

通院や買い物などの外出は、家族が対応できればオプションサービスは発生しません。この類の費用を抑えるためには、家族が無理なく通える距離の有料老人ホームに申し込むことが大切です。

支援が必要な時に無理なく行ける距離の施設を選ぶことで、家族の安心度はアップするでしょう。

施設によっては、「月2回までスタッフが無料で外出同行する」などのサービスを提供しているところも。ご自身の状況に合わせて、サービスを比較検討してください。