3月12日にソニー生命保険株式会社が公表した「子どもの教育資金に関する調査2024」によると、「子どもの教育資金に不安を感じる」という親は8割を超え、そのうちの5割以上が「物価の上昇」に不安を感じていると答えました。
教育費や毎日の支出をはじめとした出費は、物価上昇により負担が増える一方です。50歳代で700万円の貯蓄があった場合、安心して生活できるといえるのでしょうか。
教育費の負担や老後の生活について具体的に考え始めたときに、今のうちからの貯蓄を意識しておくことが必要不可欠です。そこで今回は、50歳代以上の二人世帯の貯蓄状況や老後の生活にフォーカスし、現状を探ってみます。
1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄700万円台は多い?少ない?
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄700~1000万円未満」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄700~1000万円未満の割合
- 5.7%
1.2 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄700万円以下の割合
- 57%
1.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1253万円
- 中央値:350万円
貯蓄700~1000万円未満は1割未満、貯蓄700万円以下でみると約6割となりました。
50歳代の貯蓄額の中央値が350万円であることから、50歳代で貯蓄700万円は資産が多い部類に入ります。
2. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくら?
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
2.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄700万円~1000万円未満の割合
- 7.5%
2.2 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄700万円以下の割合
- 43.1%
2.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1684万円
- 中央値:810万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄700万円以下は43.1%。
平均は1600万円を超え、中央値は800万円を超えました。
50代は教育費や住宅ローンなどで支出が多い時期でもあります。しかし、この時期に少しでも多く貯蓄を積み立てることで、定年後の生活にゆとりを持たせることができます。
では、50代のうちにどの程度貯蓄があれば、老後の生活にゆとりが持てるのでしょうか?ここからは老後の生活費について解説していきます。