今年は1月19日に、令和6年度(2024年度)の年金額が発表されました。

年金受給額は前年度に比べて増えていますが、昨年も物価が上昇しているため、年金額は物価には追いついていない状況です。

今回発表された年金額については、4月からの年金(後払いのため、受給は6月から)となっています。

今後も物価が上昇する可能性は十分にありますので、今後のためにも物価上昇のための対策もしていかないといけないでしょう。

今の生活もありますが、老後までに時間のある方は、老後の収入(年金収入、その他の収入)や支出も考え、老後資金の準備も早めに準備しましょう。

老後の「年金年収211万円の壁」についても知っておく必要があります。

1. 年収の壁とは?

現役世代の方の、「年収の壁」というものを聞いたことがあると思います。

100万円、103万円、106万円、130万円、150万円など、収入面ではいろいろな金額の壁があります。

この金額を超えると、税金や社会保険料、扶養に影響するため、結果的に手取り収入が減ってしまうことがあるため、その金額以内に調整される方もいます。

しかし、老後にも「年金年収211万円の壁」というものがあるのです。

2. 年金が211万円を超えると何に影響するのか

211万円の壁とは、年金受給者の方が「住民税非課税世帯」になるかどうか、というものです。

収入が公的年金のみの場合、雑所得の公的年金等控除を差し引き、他の控除できる金額(基礎控除や配偶者控除、社会保険料控除など)を差し引きし計算した後、住民税がかからず、他の世帯全員にも住民税がかからない場合、住民税非課税世帯となります。

65歳以上で公的年金等にかかる雑所得以外の所得にかかる合計所得金額が1000万円以下の場合

出所:国税庁「NO.1600 公的年金等の課税関係」をもとに筆者作成

年金収入がある方でも収入からさまざまな控除があるため、所得税や住民税が少なくなることや、かからないこともあります。

所得税で考えると、年額240万円(年金月額20万円)の方は

  • 240万円 ― 110万円 = 130万円・・・雑所得の金額
  • 130万円 ― (基礎控除+社会保険料控除、その他の控除) = ○○○円


算出された金額に税率(所得税は所得により変わりますが、住民税は所得にかかわらず10%)をかけ、計算できます。

年金月額が20万円の方であっても、控除できる金額が少ないと所得税や住民税は課税されます。

住民税は「所得割」と「均等割」の2種類があり、一定以下の所得であれば、均等割も課税されません。