3. お住まいの自治体によっては壁が「211万円」ではないことも
この211万円という金額、大都市であれば211万円ですが、中核都市では203万円、それ以外の地域では193万円と地域により金額が違っています。
また、配偶者の収入が155万円以下(級地によっては152万円、148万円)など、世帯主以外にも、配偶者の収入も住民税非課税世帯は影響しますので、詳細はお住まいの市町村に確認してください。
居住地や控除等によっても異なります。級地については、住民登録している市町村にお尋ねください。
4. 住民税非課税世帯のメリット(優遇)
住民税非課税世帯になると、住民税はかかりません。
他にも、所得が少なくなるので国民健康保険や後期高齢者医療保険、介護保険などの社会保険料負担が少なくなります。
医療費の負担割合も変わりますし、申請すればNHKなどの放送受信料も半額免除や全額免除に該当することもあります。
他にもお住まいの自治体によっては利用できるサービスもあります。
遺族年金や障害年金を受給中の方は、そもそもが非課税のため、該当する方は多くなっています。
住民税非課税世帯になると利用できる制度はあるのですが、これを利用するために収入を減らすことはしないと思います。
特に公的年金の場合、年金を繰上げ支給することで、年金を減らすことはできますが、繰上げ請求すると少ない年金を一生涯もらうことになるため、デメリットが多いと考えられます。
年金は一度請求すると取り消しができないので、注意が必要です。
5. まとめにかえて
住民税非課税世帯のメリットは地域によって異なり、独自の給付金などがあるケースもあります。
ただし、今後、所得税の控除額や課税割合が変更されるかもしれません。
211万円の壁というものはありますが、収入を調整して減らすことは、ある意味リスクが高いものです。
生活する上では収入が多いほうが生活はしやすいので、事前に収入を増やすことができるのであれば、211万円の壁を意識せず働く、ご自身の資産を使って運用していくことなども検討してみましょう。
参考資料
香月 和政