3. 【新NISA】定年までにいくら貯められるかシミュレーション

30歳代でも、30歳であれば定年(65歳)まで35年、35歳であれば30年、39歳であれば26年の期間があります。

新NISAでつみたて投資をした場合、どのくらい資金を増やせるのか、積立額3万円、5万円、10万円でシミュレーションをしてみたいと思います。

年率については、金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」で、過去の実績をもとにした算出結果として、保有期間20年の運用成果が2%から8%に収まっていると記述されていることから、3%、5%、7%の3パターンで試算してみます。

<積立額3万円/月でのシミュレーション>

出所:筆者シミュレーション・作成

<積立額5万円/月でのシミュレーション>

出所:筆者シミュレーション・作成

<積立額10万円/月でのシミュレーション>

出所:筆者シミュレーション・作成

新NISAの非課税保有限度額が1800万円なので、積立額が1800万円に達したら、その後は新たな積立は行わず、そのまま定年の65歳まで据え置いて運用を続けた場合の試算となります。

年利5%での試算をみてみると、月に3万円の積み立てでは、積立期間26年で1890万円、30年で2457万円、35年で3340万円になります。

月に5万円の積み立てでは、積立期間26年で3150万円になります。

積立期間30年では、ちょうど生涯投資枠の1800万円を使い切って4094万円になります。

35年間の場合は、積立期間30年、据え置き期間5年間で3340万円になります。

月に10万円の積み立てでは、積立期間15年で生涯投資枠の1800万円を使い切るので、以後11年間据え置いた場合は4549万円、15年間据え置いた場合は5529万円、20年間据え置いた場合は7057万円になります。

複利効果を考えると、早めに1800万円の枠を埋める方がNISA制度を最大限に活かせます。

ただし、積立額を増やすために、今の生活を犠牲にするような資金計画はやめましょう。

先述したように、預貯金などの無リスク資産も用意しつつ、自己投資のためにもお金を使っていきましょう。

30歳代ならば、自分に投資することで、収入を増やせる可能性は高く、その方が生涯を通して得られるお金は増えるでしょう。

年利については、金融庁の試算を参考に、3、5、7%でシミュレーションしましたが、こうした利回りは過去の実績でしかなく、将来どうなるかはわかりません。

場合によっては、元本割れすることもあります。

投資は不確実なもので、想定どおりにはいかないことは留意しておきましょう。

4. 投資初心者が投資を成功させる方法

新NISAがスタートしたことで、初めて投資をするという人もいるでしょう。

ここでは投資初心者が少ないリスクで少しでも多くのリターンを得るために、行ってほしいことをお伝えします。

4.1 手数料が安いインデックスファンドに投資する

つみたて投資枠の対象商品は、積立・分散投資に適した一定の投資信託が選ばれています。

インデックスファンドがほとんどですが、アクティブファンドもいくつかあります。

アクティブファンドは運用に多くのプロが携わることでインデックスファンドに比べてコストが高くなります。

長期間の運用では、コストが非常に重要で、これによって運用成績に差が生まれます。

インデックスファンドでも手数料に違いがあるので、投資対象が同じなら、手数料が安いファンドを選ぶといいでしょう。

4.2 長期間投資を続ける

一般的に、長期投資は短期投資と比べて、収益のふり幅が小さくなり収益が安定する傾向があります。

前出の金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」にも、資産や地域を分散した積立投資を長期間続けることで、結果的に元本割れする可能性が低くなる傾向があると記載されています。

投資初心者は、日々の値動きを追う必要のない積立投資が向いています。

NISA口座で購入商品と積立額を一度設定してしまえば、あとは“ほったらかし”にしておけるので長く続けられるでしょう。

老後までまだまだ長い期間がある30歳代、日々の生活を楽しみながら、老後資金も着々と貯められるといいですね。

参考資料

石倉 博子