3. 「国民年金(基礎年金)のみ」では月額平均でいくらか
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。
では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
3.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。
厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活するのは難しいでしょう。
4. 2024年度の年金額は2.7%引き上げに
公的年金は、毎年度、保険料や年金額の見直しが行われます。
2024年1月19日、厚生労働省からリリースされた資料によると、2024年度の公的年金は2023年度から2.7%の引き上げとなりました。
国民年金と厚生年金の年金額の例は以下のとおりです。
◆国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円)
◆厚生年金:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」
国民年金の満額(月額)は、2023年度から+1750円の増額となります。
また、厚生年金はモデルケースの夫婦2人分の年金額は、2023年度から+6001円の増額となり月額23万円超となります。
上記のとおり、物価や賃金の上昇を背景に年金額は引き上げられました。
しかし、年金制度の維持や現役世代の保険料負担が大きくなりすぎないように調整が行われるマクロ経済スライドが発動したため、実質的には目減りとなっています。
5. 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の年金見込額の確認を
今回は平均受給額について確認しましたが、1万円刻みの受給権者数をみてもわかる通り、年金受給額については個人差が大きいものです。
老後資金対策は、「老後の柱」である年金受給額を確認することが第一歩。
ご自身の受給予定額については、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しましょう。
年金の受給予定額を確認した後は、老後に向けて以下のような対策を検討しましょう。
- 公的年金を増やす方法を考える
- 私的年金を準備する
- 預貯金を貯める
- 資産運用をする
2024年には新NISAがスタートしましたが、現代は昔に比べて資産運用もはじめやすくなっています。
公的年金や私的年金だけでなく、貯蓄や資産運用までさまざまな選択肢を考え、ご自身に合った老後対策を検討しましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
和田 直子