3. 【想定外の費用 その2】差額ベット代
父は主に通院治療を行っていましたが、通院治療を受けていた3年半の間に5回ほど、検査や手術のために入院をしました。1回の入院期間は数日~1週間程度とどれも長いものではありません。
この入院時にかかった「差額ベッド代」も予想外の大きな出費でした。
差額ベッド代とは、実際に入院をする部屋(病室)によって、1日ごとにかかる料金のこと。無料となる大部屋から高額となる個室まで、病院によって料金設定はさまざまです。
「病気知らずだった父親は、慣れない入院生活に不安を隠せず個室での入院を強く希望しました。
その結果、1日あたり約2万円の差額ベッド代が発生し、1回の入院あたり毎回約10万円(2万円×5日)の差額ベット代が発生したのです。
4. タクシー代・差額ベッド代は高額療養費制度の対象外
日本の医療保険には「高額療養費制度」というものがあります。医療費が人々の生活を圧迫することがないよう、高額になった医療費をカバーする制度です。
具体的には、1カ月(月の初めから終わりまで)の間に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定の上限額を超えた場合、図のように超過した分のお金が払い戻される仕組みです。
なお、払い戻されるかどうかの基準となる自己負担限度額は、年齢・および所得状況などによって異なります。
しかし、この高額療養制度の対象となるのは、公的医療保険適用の医療費のみです。
そのため、入院時の食事代、差額ベッド代、交通費、レーシックやインプラント等の保険適用外の医療費は高額療養費の対象となりません。
通院時のタクシー代や、毎回入院のたびに10万円程度かかった差額ベッド代は、高額療養費の対象外、すべて実費負担となったわけです。