人生100年時代と言われるようになり定年後も現役時代同様、働かれている方も多くなってきております。
しかし、定年後の収入は減ってしまい、年金と合わせても生活が厳しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
2024年1月19日に公表された厚生労働省の資料によると、2024年度の厚生年金（夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額）は23万483円、国民年金の満額は6万8000円であるとわかりました。
このデータをどう受け止めるかは人それぞれですが、近年は定年退職後も働く方が増えているようです。
今回は、実際の65歳以上の世帯の年金事情、そして働くシニアの就業率や平均給与もチェックしていきましょう。
1. 65歳以上世帯の「老後の収入」はいくら？（厚生年金・国民年金）
まず、シニア世代の「収入の柱」ともいえる年金の受給事情をチェックしていきます。
1.1 厚生年金の平均年金月額
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、年金事情を見ていきましょう。
〈厚生年金の平均年金月額〉
- 〈全体〉平均年金月額：14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額：16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額：10万4878円
※国民年金部分を含む
全体は14万3973円でしたが、男女で月約6万円の差が出ました。
会社員や公務員だった方が受け取れる厚生年金は、現役時代の給与や賞与などの報酬額により決定する保険料と年金加入期間により決定します。
現役時代の働きぶりが将来の年金額に大きく影響することを理解しておきましょう。
1.2 国民年金（老齢基礎年金）の平均年金月額
同資料より、国民年金の平均年金月額も確認します。
では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。
〈国民年金（老齢基礎年金）の受給額〉
- 〈全体〉平均年金月額：5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額：5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額：5万4426円
国民年金の平均月額は5万6316円。厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活するのは難しいでしょう。
国民年金では、全員一律の保険料（毎年度に見直しあり）を納めます。そのため、厚生年金のような大きな男女差は見られません。
20歳～60歳未満の40年間、全てを納めれば満額、未納がある場合はその分減額される「国民年金」。過度な未納期間がなければ、5～6万円程度の受給となるでしょう。
ただし、これは現行制度における給付水準です。少子高齢化を鑑みれば、年金額が減少する可能性もあるでしょう。
国民年金のみを受給する方は、年金収入に依存しない資金計画を立てておきたいものです。
