日本は少子高齢化が進み、高齢化がますます進んでいます。また人生100年時代と言われている現代では、老後生活をスタートさせる時期に個人差が出始めています。

とはいえ、老齢年金の一般的な受給開始年齢「65歳」を節目に、老後生活を始めたいと思っている人も一定数いるでしょう。

2024年1月19日に公表された厚生労働省の資料によると、2024年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万483円、国民年金の満額は6万8000円とわかりました。2024年度の年金額は2.7%の引上げとなるようです。

それでは、高齢化が進む日本で年金のみで暮らす65歳以上の「リタイア世帯」はどのくらいいるのでしょうか。

今回は65歳以上の現況と「お金事情」について見ていきたいと思います。

1. 65歳以上「シニア世帯」は増加中:1986年から2.5倍以上に

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、 65歳以上のいる世帯が年々増加している状況がまとめられています。

1.1 【世帯構造別】65歳以上の者のいる世帯の年次推移

《65歳以上の者のいる世帯数の年次推移》(単位:千世帯)

  • 1986年:9769
  • 1989年:1万774
  • 1992年:1万1884
  • 1995年:1万2695
  • 1998年:1万4822
  • 2001年:1万6367
  • 2004年:1万7864
  • 2007年:1万9263
  • 2010年:2万705
  • 2013年:2万2420
  • 2016年:2万4265
  • 2018年:2万5584
  • 2020年:-
  • 2021年:2万5809
  • 2022年:2万7474

20年以上前から、65歳以上がいる世帯数は年々増加中。1986年からは2.5倍以上にもなっている状況が見られます。

1.2 65歳以上の「家族形態」で最も多いスタイルは?

同調査より、65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移を見てみましょう。

2022年時点の65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、ひとり世帯(単独世帯)の割合は31.8%。およそ3世帯のうち1世帯を「おひとりさま」世帯が占めているとわかりました。

【65歳以上】「シニアのいる世帯」の世帯構造の年次推移

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

1986年時点では約45%を「三世代世帯」が占めていましたが、2022年には「三世代世帯」は7.1%まで減少。

一方、おひとりさまシニア世帯は増加傾向にあり、2022年には31.8%をマーク。1986年の13.1%から、約3倍に迫る勢いで増えています。

現役世代の未婚率も上昇している状況を鑑みると、今後さらにおひとりさまで老後を過ごす人が増えると考えられます。