2. 【65歳以上】シニア世帯・1人あたりの所得状況とは

おひとりさまシニアが老後を過ごすのに、貯蓄額と所得の有無は大きな不安材料となり得ます。増加傾向にある高齢者世帯の所得はどのくらいあるのでしょうか。

今回は世帯主の年齢階級別に、世帯人員1人あたりの平均所得金額を確認します。

2.1 年齢階級別「1人あたり平均所得金額」:70歳以上が最低

【世帯主の年齢加給別】1世帯あたり/世帯人員1人あたり平均所得金額

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

1世帯あたりの平均所得金額をみると「50〜59歳」が742万1000円で最も高く、次いで「40〜49歳」、「30〜39歳」と続きます。

一方、世帯人員1人あたり平均所得金額をみると「50〜59歳」が291万9000円で最も高く、最も低いのは「70歳以上」の194万6000円となっています。

定年を迎え、セカンドライフを送るシニア世代の収入の柱は「公的年金」。それでは、所得に占める年金の割合はどれほどなのでしょうか。

2.2 年金受給中のシニア世帯は「公的年金・恩給」が所得の約4割

「公的年金・恩給を受給する高齢者世帯」における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

今回の「国民生活基礎調査の概況」によれば、年金を受給する高齢者世帯で「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は44.0%でした。

前回の2021年調査において、年金が総所得に占める割合が100%の世帯は24.9%。前々回の2019年調査では48.4%。

割合が下がった昨年と比較し、一昨年の状況に近しい結果となりました。

3. 年金だけに頼らない! 高齢化社会を生き抜く「資産計画」を

「人生100年時代」において年金は老後生活の大きな支えであることは間違いありません。

しかし、年金だけで生活をすべて補えるかといわれるとやはり不安は残ると思います。

筆者が前職の信用金庫時代には、よく高齢者の方と接する機会がありましたが、多くの高齢者は年金のみで生活しているかというとそうではなかったです。

多くの方は現役世代の蓄えがあったからこそ老後資金を準備してできていました。

今の世の中は「超低金利時代」。そのため銀行に預けていてもお金が大きく増えることはありません。

まずは将来の年金額なども確認し、自身にあった老後計画をたててみてはいかがでしょうか。

参考資料

山本 大樹