2024年から新NISAがスタートし、NISAで運用しながら将来に向けて資産運用を始める方が増えています。
2019年に「老後2000万円問題」が世間の注目を浴びて以降、幅広い世代の方の中で「自助努力での老後資金づくり」への関心度は常に高いように思います。
2024年1月19日に公表された厚生労働省の資料によると、2024年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万483円、国民年金の満額は6万8000円とわかりました。2024年度の年金額は2.7%の引上げとなるようです。
多くの方が興味・関心を寄せる「老後資金づくり」ですが、実際のところ年金生活はどれほどシビアなものなのでしょうか。
今回は、65歳以上・無職・夫婦世帯のお金事情を見ていきながら、老後資金づくりについて考えていきたいと思います。
1. 【65歳以上】平均と中央値に大きな差が…シニア世帯の平均貯蓄額はいくら?
まずは65歳以上の貯蓄額を見ていきます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)‐2022年(令和4年)平均結果(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯のうち「二人以上世帯」の貯蓄額平均は2414万円でした。
【貯蓄現在高・階級別世帯分布(二人以上の世帯)】
- 貯蓄平均値:2414万円
- 貯蓄中央値:1677万円
※ 貯蓄保有世帯の中央値とは、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高をいう。
65歳以上の世帯では、平均値が2414万円、中央値が1677万円となっています。
より実態に近いとされる中央値ですが、14.4%の世帯では貯蓄300万円未満となっています。また、貯蓄額2000万円を超える世帯が全体の42.5%を占めています。
貯蓄額は平均と中央値の間で約700万円もの差が見られ、シニア世帯間での差が大きいとわかりました。
十分な貯蓄を確保できていない世帯も少なくないのが実状です。そういった世帯では可能な限り老後生活への準備を始めていく必要があるでしょう。