3. 60歳~69歳「国民年金と厚生年金」実際の支給額はいくら?

厚生労働省が2023年12月に公表した「令和4年度厚生年金・国民年金事業の概況」から、60歳~69歳が受給している年金額の平均を、1歳刻みで確認します。

3.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:9万4853円
  • 61歳:9万1675円
  • 62歳:6万1942円
  • 63歳:6万4514円
  • 64歳:7万9536円
  • 65歳:14万3504円
  • 66歳:14万6891円
  • 67歳:14万5757円
  • 68歳:14万3898円
  • 69歳:14万1881円

3.2 国民年金の平均月額(60歳~69歳)

60歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:4万2616円
  • 61歳:4万420円
  • 62歳:4万2513円
  • 63歳:4万3711円
  • 64歳:4万4352円
  • 65歳:5万8070円
  • 66歳:5万8012円
  • 67歳:5万7924円
  • 68歳:5万7722円
  • 69歳:5万7515円

 

64歳以下の金額が低いのは、主に繰り上げ受給をした人や、特別支給の老齢厚生年金の対象者であるからです。

なお、こちらの年金額は税金や保険料が天引きされる前の額面です。

ここから所得税や住民税、健康保険料、介護保険料などが天引きされるため、手取り額はさらに少なくなります。

年金収入だけでやりくりできるか、できないのであれば不足分はいくらか、老後を◯年と設定した場合、どれほどの老後資金が必要になるか…というステップで、必要額を算出します。

つまり、一概に「老後資金は2000万円」とは言い切れないということです。

2000万円以上を備えている世帯は3割弱ですが、もっと必要になることも十分考えられます。短期間で貯めるのは簡単ではないため、長期で備えるためにも早めの計画が大切になります。

4. 長い老後生活に向けて60歳から考えたいこと

老後2000万円問題の発端は、あくまでも平均的な収支報告から得られた試算額であり、個人のライフプランによって異なるということを知っておきましょう。

2000万円がとても印象的で独り歩きしてしまいましたが、大事なのはご自身がどのような老後生活を望むのか。それに対してどのくらい収入があるのか、足りないのはどのくらいか、というシミュレーションです。

まずは自分自身の年金見込額や老後生活に目を向け、考えるところから始めてみましょう。

参考資料

渡邉 珠紀