今回は、認知症のお母さんと二人暮らしをしているという会社員の洋子さん(55歳)から、こんなお悩みが届きました。
同居する母(79歳・要介護2)は、認知症が進行して「知らない人が入ってきてお金を盗んでいった!」と騒ぎたてたり、わたしに大声で暴言を吐いたりします。
深夜に起きて「買い物に行ってくる!」と出かけようとすることも。寝不足のまま仕事に行くこともあり、母の介護に限界を感じてきました。
そもそも、母のように暴言や徘徊、被害妄想の症状がある状態で入所できる老人ホームはあるのでしょうか?それとも、このままわたしが家で介護するしかないのでしょうか?介護離職も検討しています。
1. 筆者からの回答
仕事に介護に本当に毎日お疲れ様です。
相談者さんのお母さまのように認知症がある方でも、老人ホームに入所することは可能ですので安心してください。
ただし、認知症の方を受け入れる体制が整っている施設に限られます。今回は、認知症の方が入居可能な老人ホームを紹介します。
1.1 認知症がある方の老人ホームへの入所は可能【一覧表つき】
今回のケースのように認知症による暴言や徘徊、妄想などの症状がある方は、以下の3施設を入居先の選択肢としておすすめします。
- 特別養護老人ホーム
- 認知症グループホーム
- 認知症ケアに特化した介護付き有料老人ホーム
これらの施設では、認知症の方に対応できる以下の条件が揃っています。
- 24時間の見守り、介護体制がある
- 認知症ケアへの取り組みがある
- 認知症ケアの知識や経験が豊富なスタッフがいる
- セキュリティ体制が万全(建物・フロア出入り口の施錠、センサー、監視カメラなど)
ただし、著しい迷惑行為(暴言・暴力・不潔行為など)がある方は、入居を断られることもあります。
そのような場合は、医療機関に相談して薬の調整を行い、症状が落ち着けば、入居できる可能性もありますので、施設側に確認してみましょう。