2024年1月に日本銀行が公表した生活意識調査によると、1年前に比べて物価が上がったと感じる人は9割を超えています。
急激な物価上昇を受けて「老後資金を貯める余裕がない」と悩んでいる人も多いかもしれません。
計画的に老後資金を貯めるためには、貯蓄上手な人の習慣や考え方を真似することが第一歩です。
本記事では、元銀行員の筆者が老後資金を貯められる人と貯められない人の違いについて紹介します。
1. 老後資金2000万円を貯めている人は全体の約17%
そもそも老後資金として「2000万円」を貯めている人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2000万円以上の金融資産を保有していると答えた人は、全体の16.8%となっています。
その一方で、「金融資産を保有していない」と答えた人は26.9%にものぼり、約4人に1人が全く貯蓄を行っていない状況です。
年代別に見ると、60歳代の二人以上世帯で達成しているのは29.1%でした。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:6.1%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上:20.3%
また70歳代の二人以上世帯では、28.3%の世帯で貯蓄2000万円を達成しています。
金融資産非保有:18.7%
100万円未満:5.9%
100~200万円未満:4.1%
200~300万円未満:2.8%
300~400万円未満:4.0%
400~500万円未満:2.2%
500~700万円未満:7.5%
700~1000万円未満:6.5%
1000~1500万円未満:10,3%
1500~2000万円未満:7.1%
2000~3000万円未満:10.0%
3000万円以上:18.3%
この結果を見ると、「2000万円も貯められるのは一部の限られた人だけだ」というように感じられるかもしれません。
しかし、実は「貯蓄ができる人=収入が多い人」というわけではありません。
筆者は銀行員としてさまざまなお客さまと接してきましたが、きちんと貯蓄を行っている人にはある共通点がありました。
次章でくわしく紹介していきましょう。