2. 老後資金を貯められる人と貯められない人の違い
老後資金を貯めるためには、貯蓄上手な人の習慣や考え方を取り入れることが大切です。
ここからは、筆者が銀行時代に感じた老後資金を貯められる人と貯められない人の違いを紹介していきます。
2.1 先のことまで考えて行動ができる
老後資金について考えるとき、「あまりに先のことでピンとこない」と感じる人もいるのではないでしょうか。
実際に、数十年先の老後のことを具体的にイメージするのは難しいものです。
そのため、「老後資金を貯めないといけないと分かっているけど、つい後回しになる」ということも少なくありません。
しかし、老後資金を貯められる人は、「いずれ訪れる老後に向けて今できること」をしっかりと理解して行動に移すことができる人です。
やるべきことを先送りしないので、若いうちからコツコツと貯蓄に取り組むことができるのです。
2.2 計画的な貯蓄に取り組める
老後資金を貯めるためには、長期の貯蓄計画を立てる必要があります。
とはいえ、数十年先のことまで考えて貯蓄に取り組むのは、そう簡単なことではないでしょう。
時には目先の欲しい物を優先してしまうこともあるかもしれません。
老後資金を貯められる人は、「貯蓄2000万円を達成するためには、今から毎月◯万円ずつ貯めなければならない」と具体的な計画を立てて貯蓄に取り組むことができます。
老後資金を貯めるための具体的な貯蓄額が明確になっているので、つい無駄遣いをしてしまったり、貯蓄が後回しになってしまったりすることがありません。
2000万円というまとまった資金を貯めるためには、時間をかけてコツコツと貯蓄に取り組むことが大切です。
2.3 出費に対してシビアになりすぎない
貯蓄上手な人というと、「一生懸命節約をしている」、「生活費を切り詰めている」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。
しかし、筆者が銀行員時代に出会った貯蓄上手な人は、決して出費にシビアな人ばかりではありませんでした。
むしろ、「お金を使うべきところとそうでないところ」を分けて考えていて、使うべきところはしっかりと使う人が多かったように感じます。
これから何十年とかけて貯蓄を行うにあたって、とにかく出費を切り詰めているばかりでは窮屈に感じてしまうでしょう。
長く貯蓄に取り組むためには、「支出にメリハリをつける」ということが大切です。
2.4 資産運用について学んでいる
低金利環境が続く現在、老後資金の2000万円を効率的に貯めるためには資産運用に取り組むことが欠かせません。
たとえば、30年間で2000万円を貯める場合、資産運用に取り組まなければ毎月約5万5000円の積立額が必要ですが、年利3%が得られれば約3万4000円まで抑えることができます。
老後資金を貯められる人は、資産運用について「こわい」、「難しそう」と遠ざけるのではなく、積極的に学んで貯蓄計画に取り入れています。
もちろん資産運用によるリスクは考慮する必要がありますが、預貯金による利回りが得られない現在では、資産運用を活用することが必要不可欠ともいえるでしょう。
2.5 新しい制度を活用している
貯蓄上手な人は、新しい制度を活用していることも特徴です。
筆者が銀行員時代に出会った貯蓄上手な人は、NISAやiDeCoなどの制度について高い関心を持っており、「分からないところを教えてほしい」とお願いされることが多くありました。
NISAやiDeCoなどの制度は、「何となく聞いたことがあるけど難しそう」、「よく仕組みが分からない」という人も多いかもしれません。
しかし、より効率的に老後資金を貯めるためには、「よく分からない」というところで立ち止まるのではなく、自ら積極的に学ぶ姿勢が大切です。
3. 老後資金の準備は計画的に取り組もう
老後資金の2000万円は、短期間ですぐに貯められるような金額ではありません。
計画的に貯蓄に取り組むためには、まず日々の習慣や考え方を少し変えてみることがおすすめです。
「貯蓄が苦手」と感じている人は、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、今日から老後資金の準備に取り組んでみましょう。
参考資料
- 日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
椿 慧理