2024年1月に公表された、2024年度の年金額は前年2023年度に比べて2.7%増となりました。
物価高の影響による増額は嬉しいものの、一方でマクロ経済スライドの調整などにより実質的には目減りとなっており、少子高齢化の日本においては年金への不安は高まるばかりです。
公的年金への不安を支えてくれる一つが「貯蓄」ですが、「物価高で貯蓄までできない」「教育費や住宅ローンが重くて老後まで備えられない」ご家庭も多いでしょう。
今回は2024年度の年金事情をチェックしたのち、金融広報中央委員会の資料をもとに「70歳代・二人以上世帯」の貯蓄額をみていきます。
1. 【2024度】標準的な夫婦の厚生年金受給額は「月23万円超」
一般的な年金の受給開始年齢は65歳からと設定されています。では、一般的な年金受給額の目安はいくらでしょうか。
年金額は毎年度改定されるため、2024度の年金額例を見てみましょう。
1.1 2024度の年金額モデル(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円) - 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合の「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
国民年金で見ると月額で+1750円の増額で、満額は6万8000円でした。
一方で、厚生年金の標準夫婦である「会社員の夫と専業主婦の妻」では、月額23万超へ。これまで22万円台でしたが、2024年度は23万円を超えました。
ただし、物価高ほどは増額となっていないので、実質的には目減りといえるでしょう。さらに、ここから社会保険料や税金などをひかれた残りで生活するため、年金だけでは生活できない人もいるかもしれません。