日本銀行が2023年12月20日に発表した「資金循環統計」によると、2023年9月の個人が持つ金融資産残高の合計は2121兆円を超え、過去最高額となりました。
資産運用のニーズや関心が高まったことが影響していますが、先の長い老後生活を送るためにはいくらあると安心できるのでしょうか。
今回は、最新の年金統計をもとに、65歳以降の夫婦が生活するために必要な貯蓄額をシミュレーションします。
1. 65歳夫婦が老後に必要な貯蓄額をシミュレーション
65歳を迎えた夫婦が、今後の生活を不安なく過ごすために必要な貯蓄額を計算しましょう。
まずは「公的年金の受給額」を明らかにして、実際に生活資金としていくら支出しているのかを確認します。
毎月の不足額が分かれば、100歳まで生存した場合にいくら貯蓄しておく必要があるかが分かるので、それぞれ確認しましょう。
2. 公的年金の受給額
厚生労働省が2023年12月に発表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と基礎年金の受給額は、それぞれ以下の通りになりました。
厚生年金の男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
基礎年金の男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
厚生年金の平均受給額は1人あたり14万4982円で、基礎年金受給額は1人あたり平均5万6428円だったので、受給額はおよそ3倍でした。
以上から、夫婦が「どちらも厚生年金加入者」「どちらかが厚生年金加入者」「どちらも基礎年金加入者」に分けると、受け取っている平均年金額は以下の通りになります。
- どちらも厚生年金加入者:28万9964円
- どちらかが厚生年金加入者:20万1410円
- どちらも基礎年金加入者:11万2856円
では、65歳で老後生活をする夫婦の支出額を確認しましょう。