3. 60歳代おひとりさま世帯の借入額「中央値は100万円」
貯蓄額と借入額はセットで見ておく必要があります。60歳代・単身世帯の負債状況もチェックておきましょう。
本格的な年金暮らしが始まる前に、借入額はクリアにしておきたいところですが実情はどうでしょうか。
3.1 60歳代・単身世帯の「借入金有無」
金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、60歳代おひとりさま世帯の借入金有無は以下のとおりです。
- 借入金なし:14.6%
- 借入金あり: 85.4%
3.2 60歳代・単身世帯の「借入金残高」
「借入金あり」と回答した人は、いくらぐらい借り入れているのでしょうか。60歳代・単身世帯の借入金残高は以下のとおりです。
《借入金残高》平均値259万円・中央値100万円
- 50万円未満:26.6%
- 50~100万円未満:20.3%
- 100~200万円未満:20.3%
- 200~300万円未満:7.8%
- 300~500万円未満:7.8%
- 500~700万円未満:4.7%
- 700~1000万円未満:1.6%
- 1000~1500万円未満:4.7%
- 1500~2000万円未満:0%
- 2000万円以上:3.1%
借入金残高の中央値は100万円。最も多いのは50万円未満の26.6%でした。
また、借入金がある人の約67%が借入金残高は200万円未満です。
3.3 60歳代・単身世帯の「住宅ローン残高」
借入の目的はさまざまですが、個人の借入金として金額が大きい傾向にある住宅ローンの残高について見ておきます。
先の調査で借入金残高があると回答した方のうち、住宅ローン残高は以下のとおりです。
《住宅ローン残高》平均146万円・中央値0円
- 50万円未満:0%
- 50~100万円未満:0%
- 100~200万円未満:3.1%
- 200~300万円未満:0%
- 300~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:1.6%
- 700~1000万円未満:1.6%
- 1000~1500万円未満:3.1%
- 1500~2000万円未満:0%
- 2000万円以上:3.1%
- 0または無回答:84.4%
60歳代おひとりさま世帯の住宅ローン残高は平均146万円。しかし、1000万円以上の残高がある人も約6%います。
近年は60歳を超えても住宅ローン残高がある人は珍しくありません。退職金で完済する予定の人もいるでしょう。
年金暮らしが始まる前に借入額はゼロにしておきたいものです。
4. おひとりシニアも老後生活に向けて早めの準備を
「人生100年時代」と言われているように老後の生活も長くなることが想定されます。
もちろん老後をどのように迎えるかは、人それぞれではありますが「お金」は必ず必要となるでしょう。老後を迎えるときにローンが多く残っているのか、貯金がしっかりあって、安心して迎えられるのかは自分次第です。
これから老後を迎えられる方はしっかり準備を進めていくことは大事です。自分の老後を見据え、しっかり準備していきましょう。
参考資料
山本 大樹