カードローンとは、銀行や消費者金融といった金融機関が提供する個人向けの融資サービスで、審査に通過すれば現金を借りることができます。

何かのイベントや緊急時などで現金が必要になった際に、すぐに現金が用意できることから便利なサービスである一方で、カードローンを利用したことのない人にとっては「危険ではないか」「このような理由で借りられるのか」といった不安もあるでしょう。

では実際に、カードローンの利用をしている人は、どのような目的で借入しているのでしょうか。

本記事では、カードローン利用者の借入目的について、実際の調査データをもとに解説していきます。

カードローンを利用する際の注意点についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 約半数の人が「生活費不足を補うため」にカードローンを利用

金融庁が公表している「貸金業利用者に関する調査・研究」によると、過去3年以内に借入経験がある人に向けて「借入目的」を調査したところ、45.6%の人が「生活費不足を補うため」と回答しました。

次いで多かったものとしては「クレジットカード、ネットショッピングにおける後払い決済等の利用代金を支払う資金の不足を補うため」が29.0%、「欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため」が14.6%と続きました。

上記結果から、緊急で必要になった資金を確保する目的よりも、生活費といった日常生活に必要な支出を補填するために借入をしている人が多いことがわかります。

なお、生活費不足を補う目的でカードローンを利用する人の特徴として、年収別では「1~300万円以下」、職業別では「個人事業主」「派遣・契約社員」が多い傾向にあります。

カードローン利用者の多くが「年収の低い人」や「収入が不安定な人」であり、そういった人たちが、突然の医療費の支払いや冠婚葬祭などよりも借入金を生活費にあてていることがみてとれます。

1.1 借入残高が年収の1/3を超える人も

金融庁の「貸金業利用者に関する調査・研究」によると、過去3年以内に借入経験がある人で現在借入残高があり、借入残高が収入の1/3を超える人の割合は13.7%であることがわかりました。

過去3年以内に借入経験がある人で現在借入残高があり、借入残高が収入の1/3を超える人の割合を年収別でみると、年収が300万円以下に集中しています。

また、職業別にみると「無職」「専業主婦・主夫」「契約社員・派遣社員」「パート・アルバイト・フリーター」など、収入がなかったり収入が不安定な職業に就いていたりする人の割合が高くなっています。

なお、過去3年以内に借入経験がある人で現在借入残高があり、借入残高が収入の1/3を超える人の借入目的は「生活費不足の補填」の割合が最も高くなっていることから、社会全体の生活困窮者の多さがみてとれます。