3. 住宅ローン残高で注意すべき点とは?
住宅ローンは手元にまとまった資金がなくてもマイホームを購入することができる便利な手段ですが、借入金額が大きくなるほど利息が膨らんで家計を圧迫してしまうことにもなりかねません。
そのため「いくらまで借り入れ可能なのか」ではなく、「いくらまでなら無理なく返済できるのか」を重視しなければなりません。
したがって住宅ローンを組む際に注意すべき点は以下のようになります。
3.1 返済負担率を25%以下に抑える
返済負担率とは年収に占める返済額の割合のことで、1カ月の返済額を世帯月収(年収÷12)で割って算出します。
返済負担率は住宅ローン審査のチェック項目にもなっていますが、一般的に25%以下が余裕のある返済額とされています。
たとえば年収が600万円であれば返済負担率を25%以下とするためには、月々の返済額は600万円÷12×0.25=12万5000円以下となります。
3.2 定年退職時のローン残高を試算しておく
住宅ローンを組む際には、定年退職時のローン残高がどの位になるのかにも注意が必要です。
住宅ローンを設定するとローンを組んだ金融機関から月々の返済額や借入金残高などが記載された「返済予定表」が提示されるので、給与所得者であればこの表から定年退職時のローン残高を確認することができます。
定年退職後には収入が大きく減少してしまうので、定年後にも返済が可能な金額なのか、退職金で一括返済が可能なのかどうか等を事前によく検討しておく必要があります。
3.3 返済期間は適切なのかどうかを確認する
住宅ローンの返済期間は一般的には35年が最長になります。
返済期間が長くなるほど毎月の返済額を安く抑えることができるので、退職後も返済できるのであれば低金利の現在はできるだけ返済期間を長くした方が有利といえるでしょう。
尚、はじめに長期間のローンを組んで、まとまった現金が用意できた時に繰り上げ返済をするのもひとつの方法といえます。
借入金額のすべて、もしくは一部だけでも充当が可能で、繰り上げ返済した金額全てが元金の返済に充てられ、返済期間を短縮することができます。
元金が減るためにそれに比例して利息も減るため、トータルの返済額も節約することができます。
3.4 頭金の額は適切なのかどうかを確認する
頭金(自己資金)を多く準備すればするほど高額物件を購入することができるようになります。
また頭金の額が多いほど借り入れ金額が少なくなるので返済額は低くなりますが、手持ち資金がなくなってしまうと子供の教育資金や事故、病気、失業といった不測の事態に備えることができなくなってしまいます。
したがってある程度の資金は手元に残しておく必要があります。
給与所得者であれば生活費の約3~6カ月分、自営業者であれば約1年分を目安に手元に現金を残しておくことが大切です。
4. 住宅ローンのまとめ
住宅ローンの支払いは長期間にわたって継続するものなので、日々の生活に悪影響を与えないためにも、無理のない返済計画が不可欠といえます。
年収や毎月の生活費との兼ね合いを考えると共に、病気や怪我、失業といった不測の事態にも対応できるように、無理なく返済できる金額に留めておくことが大切です。
参考資料
亀田 融