4. 「介護費用くらい自分で出せる!」を信じすぎると想定外の事態も!?
シニア世代の家族や、私たち自分自身が要介護になる可能性は誰にでもあります。そのとき、年金などの本人の収入や貯蓄で、どこまでカバーできるかにより、介護計画も変わってくるでしょう。
冒頭で触れたように「子どもの世話にはならない」と考える人がほとんどなのかもしれません。とはいえ、これは「そこそこ元気な時」だから言えること。
預貯金をしっかりキープ、不労所得源となる不動産などを持ち、いずれは自宅を売却して老人ホームに入るつもりという準備万端というシニアも多いでしょう。とはいえ、認知症になり金融機関の口座が凍結されてお金が引き出せなくなったり、不動産の売買ができなくなったりする可能性もあります。
介護施設に入所したは良いが、途中で資金がショートという事態も起こりえるでしょう。夫婦二人とも施設入所となった場合や、物価上昇により施設費用が値上がりするケースなども想定が必要となるおたくもあるでしょう。
5. 「要介護」は突然やってくることも。あなたはどう備える?
公益財団法人生命保険文化センターが公表する「生活保障に関する調査 2022年(令和4)年度」によると、親などの介護について、74.9%の人が何らかの不安を感じていると回答。「自分の経済的負担(49.5%)」「介護サービスの費用がわからない(49.0%)」「公的介護保険だけでは不十分(48.4%)」といった介護費用に関する具体的な内容も上がっています。
要介護は突然やってくることもあります。親がそこそこ元気なうちに、年金や貯蓄などの資産状況をざっくりとでも把握しておけるのが理想的かもしれませんね。家族信託や任意後見などの活用を適宜検討していくのも一案です。
参考資料
- 内閣府「令和4年高齢者の健康に関する調査結果」
- 厚生労働省「我が国の人口について」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」
- 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査 」(2021年12月)
吉沢 良子