大学入学共通テストが実施され、今年も大学入試が始まりました。大学入試を取り巻く環境は2000年代以降に多様化が進み、年を越さずに合否が決まる総合型選抜(旧AO入試)や推薦型選抜や自己推薦、昔ながらの筆記試験と受験シーズンも秋から3月下旬までと長丁場になっています。
私立大学の増加と少子化もあり大学受験は全入時代と言われ、大学や学部学科を選ばなければハードルが低くなっていることや現役志向が高まりもあり浪人生も減少しています。
しかし、「何が何でもこの大学に入りたい」という決意を持ち受験に臨む受験生も少なからずいます。そして、残念ながら桜が散ってしまい浪人を決める受験生もいます。
今回は、筆者も経験している浪人を決めた時の心構えなどをご紹介していきます。
1. 【大学受験】浪人を選択する理由を考える
現役志向が強まり、昨年12月上旬に独立行政法人大学入試センターが発表した「令和6年度大学入学共通テストの志願者数等について」によると、大学入学共通テストの志願者のうち、既卒者(高等学校等卒業者)は6万8220人でした。
前年よりも3422人減少しています。
1994年度入学者に実施された大学入試センター試験での既卒者の志願者が19万人を超していたのも、少子化や大学の増加で募集人員が増えたとはいえ、今となっては信じられない数字です。
大学進学率は高くなっていますが、現役志向が強く浪人生が減少している中で、進んで浪人を選択する受験生は「医師を目指すから何が何でも医学部医学科に合格しないといけない」という理由や、「どうしても芸術系の大学に進みたい」という特別な事情があることが多いです。
とくに医師や薬剤師、獣医師を目指す場合はその学部学科に合格しなければ夢に近づくことができません。職と密接に繋がる場合、浪人を選択するのも致し方ありません。
筆者は浪人生が珍しくない時代に大学受験を経験しましたが、浪人した理由は「国公立大学以外は無理」という家庭の経済事情があったからです。
もちろん経済的に予備校にも通えず、大手予備校に通い浪人生活を送る同級生たちを羨ましがり自分の境遇を嘆き悲しんだこともあります。
浪人を決意するに至るまでは様々な葛藤を経験します。その際に「どうして浪人するのか」「不合格となった理由」「この一年でどれだけ頑張れるか」を考え、書き出して自分と向き合うことが必要です。
そして最初の志望校よりもワンランク上の受験校を目標にすると自ずと成績を上げることに注力することになります。
筆者は浪人生時代にこうしたことを漠然とした不安でやり過ごし向き合おうとしませんでした。「一年あるから何とかなる」ということはありません。
浪人を選択する理由や本気度、一年後にどの大学を受けるのか自問自答を繰り返してから、決断を下しましょう。