近ごろ、若者だけでなく中高年の間でも、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用者が増えてきました。職場での連絡手段にLINEを使い、名刺交換のついでにFacebookで取引先と「友達」になるといったケースも頻繁になっているのではないでしょうか。

実はそうした中で、知らないうちに部下や若手社員から嫌われるようなSNSの使い方をしている「SNSおじさん」と呼ばれる人たちが増えてきています。ここではその実態に迫っていきましょう。

自慢したがり「Facebookおじさん」

まずは世界最大のSNSであるFacebook。ここに出没する「Facebookおじさん」に多く見られる投稿は、「自分の自慢」をする投稿です。

たとえば、「筋トレ報告」投稿。年を重ねるにつれて、つきやすくなってきた体脂肪を落とすために筋トレを始める方は多くおられます。そして、努力の成果を写真付きで伝えたいこともわかります。とてもよくわかるんですが、若者はあなたの筋トレの成果に興味はありません。

IT系営業職の新卒2年目の男性は、「ネタならまだいいんですけど、自分の肉体美(?)を真面目に公開するのって、見ていてちょっと抵抗ありますね。特に女性だと、セクハラと感じるかも。あと、何キロ走ってタイムが何分という『ラン報告』の投稿も多いですが、何度もアップされるとリアクションのしようがないですよね。『報告』じゃなくて、みんなが話に加われる『ネタ』を提供すればいいのに」と話します。

インスタの女王も絶対しないメシ投稿

この派生版が「ごはん」の投稿です。確かによほど変わった料理の写真とかなら、他人が見ても楽しいものもあるでしょう。でも、単に「いい店で食事した俺」「イケてるカフェに行った俺」の写真を頻繁にアップする「リア充・金持ち自慢系」投稿や、とにかく毎食ごはんの写真を上げ続ける「食事報告系」投稿は、若者だけでなく、同世代の人たちからもあまりよく思われません。

都内某メーカーに務める30代前半の女性は、「そもそもライザップじゃないんで、毎食、何を食べたかの報告なんて、誰もあなたに求めてないんだけど……と思います。そういうメシ投稿をいちいちスクロールするのがめんどくさいし、タイムラインの邪魔にしかならない」と手厳しい。先ほどのランの話もそうですが、こうした投稿には、「見る側への配慮」は確かに薄いのかもしれません。

ちなみに写真系SNS「Instagram」のフォロワー数日本一を誇るタレントの渡辺直美さんも「ごはん系とか自分の寝顔とか、みんなが『やかましいわ!』って思うようなのは載せないようにしていますね」と話されているそうです。

ウザがられる「意識高い系」投稿

また、「意識高い系」投稿にも要注意です。たとえば、職場やニュースに関する長文投稿がこれにあたります。

自分の意見を述べることは素晴らしいことですし、「投稿を見た部下に問題意識を持ってもらいたい」といった意図があるのかもしれません。しかし、残念ながら若者は、このような投稿に「ウザい」という印象を持ってしまうことが多いようです。

取引先との連絡手段としても多く用いられるようになったFacebook。使い方には要注意ですね。

発信しまくり「LINEおじさん」

「LINEおじさん」は、LINE独自の風習を理解しておらずに、嫌われてしまうことが多いようです。

最たる例として挙げられるのが「長文LINE」ではないでしょうか。LINEでは、単文で会話を進めることが一般的で、長文でメッセージを送られると、人によっては「こわい」という印象や圧迫感を与えてしまいます。

また、LINEはGmailなどと比べても、1行あたりの文字数が少なく、「同じ文字数でもより長文に見えてしまう」ということもあるので一工夫が必要です。

結局、長文は向かないのか

たとえば、もし長文になりそうなら、いくつかのまとまりに分けて、別のメッセージとして送るなどの対策が有効でしょう。ただし、あまり細かく分けすぎても、受信者は通知の数に驚いてしまうので、それはそれで考えないといけないポイントです。

こう考えると、結局、LINEでは、長い内容はそもそも向かないということなのでしょうか。SNSの中でも、特に若者の利用者が多いのがLINEなので、中高年の方は、Facebook以上に使い方に注意が必要かもしれません。

対策するなら今のうち?

以上に挙げた「SNSおじさん」の特徴、あなたは当てはまっていましたか? 特に、LINEは若者を中心に広がっていったサービスなので、そこですでにできていた風習を知らずに、無自覚のうちに「SNSおじさん」になっていた方もいますよね。

あと2カ月もしないうちに、会社には新入社員が入ってきます。もちろん迎合する必要はないのですが、自分の意図していないところで新入社員に嫌われないように、脱「SNSおじさん」してみませんか?

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