2. 最新の年金「実質」は目減りへ。物価上昇の壁
3年ぶりのプラス改定となる2023年度の年金ですが、そもそも改定される理由として「賃金変動率」や「物価変動率」があります。
現役時代の賃金の水準、また物価の状況を見て年金額も調整されるということです。
2023年度は物価変動率が2.5%、名目手取り賃金変動率が2.8%となりました。またマクロ経済スライド※による調整も働き、今回の改定となったのです。
※公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの
昨今の物価上昇の激しさは肌で感じているところかと思います。
この物価の上昇ほどには年金額が上がらず、年金世代にとっては「実質目減りする」という現状があるのです。
年金制度を維持するためにはマクロ経済スライドが不可欠であり、物価上昇に見合った年金増加にはならないのも、仕方のない側面があります。