夫と離婚することを考える際に、まず心配になるのが経済面のことです。

特にシングルマザーとなり、ひとりで子どもを育てていくとなると、はたして自分だけの収入で生活費や教育費などをまかなえるのか、不安になるのではないでしょうか。

現在、母子世帯に対して子育てや医療、住居面などで公的な支援制度が設けられており、それらを活用すると経済的な支えとなります。

この記事では、シングルマザーの平均年収や母子世帯への公的支援制度について解説していきます。

1. シングルマザーの平均年収は306万円

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、母子世帯の平均年収は306万円です。このうち、給料などの稼働所得は231万1000円で、ほかは児童手当や公的年金となっています。

【母子家庭の収入の内訳】

  • 稼働所得:231万1000円(75.5%)
  • 年金以外の社会保障給付金(児童手当など):37万3000円(12.2%)
  • 財産所得:17万6000円(5.8%)
  • 公的年金・恩給 :10万4000円(3.4%)
  • 仕送り、その他所得:9万6000円(3.2%)

生活の意識調査では、シングルマザーの75.2%が「苦しい」と回答しており、経済的に余裕のない世帯が多いことがわかります。

また、我が国の子どもの貧困率は11.5%ですが、母子世帯や父子世帯では、44.5%と高い割合を占めているのが現状です。

さらに、厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」 によると、母子世帯の86.3%が就業していますが、正職員として勤務しているのは48.8%と半数以下にとどまっています。

38.8%の方がパートやアルバイトとして勤務しており、高い収入を得づらい状況にあるといえるでしょう。