2. なぜ繰下げ受給を希望するのか
調査では、なぜ繰下げ受給を希望するのかについても聞きました。主な回答を見ていきましょう。
2.1 長生きに備えるため
- 長生きした時に不安がある
- この先、長生き出来るか?予測できない。年金貰えるうちにと考えます
2.2 繰下げ待機中の資金を確保しているため
- 働いているから
- 収入があるから
- 65歳時でも事業を継続するため
- 繰り下げている間の生活費が用意できているため
2.3 年金額を増やすため
- なるべく後から受け取る方が得な気がするから
- 受給金額を増やすため予定してます
- 少しでも多く受給するため
- 受け取り額が増えるから。今は勤めているので厚生年金だけ受給しています
3. なぜ繰下げ受給をしないのか
反対に、繰下げ受給を希望していない方にもその理由を聞きました。主な理由を見ていきましょう。
3.1 寿命がわからないから
- 何歳まで生きるかわからないから
- いつ死ぬかわからないから
- 寿命が分からないから
- いつ死ぬかわからない。財産を残さずに死ねるなら本望
- 82歳が損益分岐点なので、そこまで生きる保証がない為
3.2 健康寿命を考えたから
- 健康でいられるのはわずか。ボケたり寝たきりになって受給しても無意味。何よりいつ死ぬかもわからない。若い時ブラック企業で耐えて働いた事が報われない。
- 繰下げ受給して税金が高くなったら意味が無いし、健康寿命を考えても元気なうちに楽しみたいから。年を取るほど金は要らなくなると考える。
- 65才時点で、体力や思考力が維持できている保証はないので。年金受給を取り入れた生活を考えている。
3.3 必要がないから
- 充分な資産がある
- 老後資金を別途準備しているので、繰り上げる必要がない
- 繰り下げする必要がないから
- お金に困っていない
3.4 経済的な理由から
- もらえるうちにもらうため
- 働いていないから
- 私は既に年金生活だが、50歳代半ばから認知症の母の介護をしていたので、家計は苦しく繰り下げする余裕は無かった
- 受給時の家計が厳しかった
3.5 その他
- 繰下げすることにより得ることができない手当支給があるし、税金にも影響してくるし長生きできる保証もない。試算するのも面倒なので、もう選択の余地なく決められたものとして65で受給開始したら気が楽だと思う。
- 早くリタイアしたい。
- 面倒
- 年を取るに従い各種手続きへの対応が難しくなると思い、すぐやることにしています。新NISAでの運用に少しでも早く資金を回したい。
この他、「わかりづらいから」「まだ決めていないので、とりあえずの話です。どっちが得か微妙なので」など、制度に対する理解があいまいなため、選択していないという方もいました。
経済的な理由は「する・しない」派どちらにも見受けられます。
受給開始を遅らせて受給額をアップさせるか、あるいはすぐにでも年金を受給したいか。家庭によって考え方が異なることがよくわかります。
ちなみに世帯年収ごとに回答を得た結果によると、年収が低いほど繰下げ受給をする予定はなく、年収が高いほど繰下げ受給をする傾向が高くなりました(図表参照)。
ただし全体の回答数が少ないため、あくまでも参考のひとつだとお考えください。